□秘密の恋
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秘密の恋
寝惚けて部屋を間違えたのか。
深夜よふけになって…いきなりベッドの中に入り込んできたなまえに、僕は心底驚いて、
何も動けなくなった。
ミノ「……なまえ・・・・さん?」
すっかり目の冴えてしまったミンホ。
ベッドの中で寝息を立てるなまえを覗き込むようにして、名前を読んでみる。
もちろん反応などない。
ミンホはパジャマの襟の隙間から、奥に見える胸の谷間にドキドキしながら、
彼女より離れた方がいいのか、それとも布団がかかるように近づいたらいいのか、よからぬ事を考えないように頭をフル回転させた。
抱きしめてはいけないし、ベッドから落っことしてもいけない。
絶妙な力加減で、彼女を落さないように、触れるかふれないかの際どいところで、腕をまわし、背中をおさえた。
ミノ「・・・・・なまえ?」
どうにか起きてくれないかと、覗き込むように、もう少し大きな声にしてみる。
「う〜ん」とうなるように声を出し、なまえはそれからミノの胸の方に顔を埋めるようにして寄ってきた。
これじゃあ逆効果じゃないかと、少しだけからだをずらして、近づいてこないように顔を上向きにさせる。
ミノ「・・・・・」
途端に、彼女の睫がとても長いことに気がついた。
それから、ふっくらとした頬と・・・あたたかそうな色をした唇にも。
ぷっくりとした唇は、少し半開きになっていて。
美味しいものでも食べているのか、
時々ふにふにと唇を上下させた。
ミノ「・・・・・なまえ・・・・・さん?」
その姿があまりにも、ミノ自身を興奮させるので、
ミノは少し肩で大きく息をした。
おちつけ、と心の中で3回も唱えた。
毛布を探すように、なまえの指がミノのTシャツを掴んだ。
ようにみえた。
ミノはその、自分に掴みそうになった指をそっと自分の指に絡めて、
そのまま唇のところまでもってくると、その手にキスをした。
そっと・・・
優しく触れるように。
ミノ「どうしてあなたはそう・・・」
不可侵だと思っていた。
心に蓋をしていた彼女。
ミノ「簡単に・・・僕の心に入ってこないで下さい・・・」
ぎゅっ、ともう一度握り返した彼女の指をそっと離し・・
ミノは優しく彼女の髪を撫でて、前髪にキスを落とした。
その無防備な唇に触れてしまったら最期・・・自分がもう、この気持ちを抑えきれなくなることを知っていたから。
なまえ「テミン・・・・・」
ぎゅっ、と奥歯を噛むように。
ミノはその言葉を聞かなかったことにした。
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