□ぜったいその先を言わないで
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テミン「何だかんだ言ってなまえヌナはぜったいオニュヒョンが好きだよね〜」
無邪気な末っ子が、そう言って私の横に腰掛ける。
宿舎のソファーはもう何度もきていて、座るにはお決まりの場所。
右側はいつも定位置で、最近はクンクン匂いをかいだジョンヒョンが、「なまえのにおいがする!」なんて言ってたほどで。
テミンはつまり左側に座って、
ぴっとりとくっつくようにして、私の読んでいた雑誌を覗きこんでいた。
なまえ「なによ」
テミン「それ、オニュヒョンにあげるの?」
なまえ「は?なんでよ?」
テミン「もうすぐ誕生日だから」
なまえ「あげるわけないでしょ」
なんでばれたんだろうって。内心ドキドキしながら、私は雑誌をとじた。
テミンは横でにやにやしている。
追い出すように、ソファーの上のテミンを押してぐいぐいやってると、
オニュがガチャリとドアをあけて帰ってきた。
テミン「おかえり」
なまえ「お、おかえりっ」
オニュ「どうしたの?」
押し問答している私とテミンに不思議そうな顔で首を傾げ、オニュは「疲れたー」って言って冷蔵庫からコーラを取り出した。
なまえ「コーラばっか飲んでると太るよ」
オニュ「太ってもいい」
なまえ「ファンに嫌われるよ」
オニュ「なまえは・・・嫌いになるの?」
なまえ「わたし別にファンでもなんでもないし・・」
オニュ「じゃ、いいや、」
あのね〜〜っ・・と、言いかけ、止めるまもなくオニュはごきゅごきゅコーラを飲み干してく。
なまえ「太っていくオニュってどうなの・・・」
テミン「ヒョンはもともとぽちゃりキャラだよ」
なまえ「じゃあテミナはどうなのよ」
テミン「僕は、ガリガリ担当(笑)。ジョンヒョンがモムチャンで、ミノヒョンがモデルで、keyヒョンが美人!アハッハ・・・!すごい個性!」
自分で言ってて大うけしてソファーから転がり落ちる末っ子に、
オニュヒョンはいなくなったその隙間に入り込むようにソファーの、私の横に座った。
なまえ「・・・・なに?」
オニュ「いや、いいなーと、思って」
なまえ「なにが?」
オニュ「テミンが」
なまえ「は?」
オニュ「僕もなまえの隣がいいなーと思って」
なまえ「・・・・」
テミン「・・・・ほらね?」
末っ子はなぜか私の顔を見るとそう言って。
じゃまはしないよ、と言う風に両手をばんざいさせて部屋に帰っていった。
部屋の中はしーんとして。
オニュと私だけの空気になる。
じり、とにじり寄ってくるようにオニュがソファーのクッションを動かすと。
ソファーは少し揺れて、オニュのにおいがした。
きっと今私が動けば・・・
わたしのにおいがするのだろう。
オニュはじっと私の目を見て。
何を言われるのかと思ったら何も言わずに、ただ私の膝に頭をゴロンと、乗せて膝枕にして寝転んだ。
なまえ「なんなのよ」←膝枕は慣れっこ
オニュ「いや。テミンにもこーいうこと、してるのかなって」
なまえ「してないわよ」
オニュ「言われたらしちゃうでしょ」
なまえ「言われないし」
オニュ「どうかな〜」
そう言うと、オニュは無言で私の腰に腕をまわした。
ぎゅうっ、と抱きしめて。
匂いをかぐように顔を埋めて息を吸い込んだ。
なまえ「なにしてんの?」
オニュ「なまえの匂いかいでんの」
なまえ「それってたのしいの?」
オニュ「楽しくないよ」
なまえ「楽しくないんかい」
オニュ「たのし・・・くは、ないよ。
・・・・・寂しい・・・か、な」
そう言ってオニュは、無言になっておなかのところに深く顔を埋めた。
なまえ「・・・・ねぇ、オニュ・・」
オニュ「ん?」
なまえ「オニュは・・・・・・・・私のこと・・好き、なの?」
そうたずねたら。
オニュ「・・・・どうかな、」
って笑うように言って。
それからクスクス、おかしそうに腕を震わせて、
私にぎゅうっ、と抱きついた。
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