□恋愛対象
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【恋愛対象】
正直僕は恋愛をしたことがなくて。
「テミン君本当は遊んでるんでしょ?」とか、「もっといいこと教えてあげようか?」とか言われると、僕はどうしていいかわからなくなる。
仕事場の先輩や後輩たちはみんな可愛いし、綺麗だし、文句なしに優しいから大好きだけど、
それが恋愛対象なのか?って言われたら、僕は違うと思う。
(というかヌナもそう思っていないと思うし)
僕が子供だからって、
苺牛乳を手渡されて。お駄賃がわりだと軽くあしらわれて本気にしてもらえない恋愛も少ししてきた。
年頃だし。
そういうのに興味のない年齢でもない。
内緒で見てたDVDを壊されたり…はたまた増やされたり…誘ってもらったり…
ヒョン"たち"は、みな一様に優しかった。
だけど、
僕が求めてるのはそーいうのじゃ、ない。
・・・
テミン「・・・・あ、ヌナ」
廊下でばったりあったのはなまえヌナで。
僕の心臓は軽くドゥクンと跳ねた。
なまえ「・・・・そのシャツ、お気に入りだね」
テミン「ヌナがいい色だねって言ったんだよ」
なまえ「言ったかしら」
テミン「言ったよ。忘れちゃったの?」
なまえ「着すぎ」
テミン「でも、どこにいてもすぐ見つけてくれるでしょ?」
なまえヌナとはじめて目があった時。
「いい色のシャツだね」ってはじめて僕を褒めてくれた。
一度も僕のことなんて目に留めてくれなかったヌナが、
僕のことを"青いシャツを着てる子"って認識したんだ、ってわかった。
なまえ「あんまり着てると、体臭でくさくならない?」
ヌナは僕の胸ぐらんのところを掴んで、クンッ、と布に鼻を寄せる。
僕の顔に近づく、なまえヌナの髪・・・
(いいにおい・・・)
なまえ「・・・・あ、意外とくさくないね」
顔を近づけてたなまえヌナが、ゆっくりと僕から離れていく。
首を傾げながら。
テミン「・・・・・ど、どうしたの?」
あまり僕を見て神妙な顔をするので、僕はおそるおそる訊いてみた。
なまえ「テミン君実は・・・・いい、においするよね?」
テミン「・・・え?」
なまえヌナは、「もういっかい嗅いでもいい?」っていいながら僕のシャツに指を伸ばした。
その指がシャツにかかる前に手首を掴みあげる僕。
なまえ「・・わっ、」
そのまま腕を引っぱり、なまえヌナの顔を僕の胸の中に埋めた。
テミン「もっとかいでいいよ」
なまえ「わ、ちょっ・・・ッ」
腕の中であばれるなまえヌナ。
(いいにおいだ、なんて・・・・本能を刺激するようなこと言わないでよ・・)
それってつまり・・・
テミン「僕のこと、恋愛対象としてみてくれてるの?」
知ってる?
青い色は1対1のコミュニケーションをスムーズにする働きがあるんだって。
心を落ち着かせて、理論的に考える、力を与えてくれる色なんだよ。
なまえ「テ、テミンくんは・・なしてっ」
テミン「ねぇヌナ・・・
僕はなまえヌナの事が好きみたい・・」
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