□65点
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ジョンヒョン「今日の俺、どうだった?」
なまえ「ん〜・・65点」
ジョンヒョン「相変わらず厳しいね」
思わず苦笑い。
遠い地で、想いを馳せて君に電話すれば・・・
つい2日前に笑顔を見た君からは不満の声。
ジョンヒョン「ヌナが100%で応援してくれないからだよ」
なまえ「65点のひとに100%なんてあげません」
ジョンヒョン「ヌナが100%くれないからやる気でなかった」
なまえ「甘えるんじゃない」
ジョンヒョン「・・・・」
ヌナはいつだって手厳しい。
おかげで――。
・・・
key「ジョンヒョン、着いたよ?」
ジョンヒョン「・・・んぁ?」
ミノ「よっぽど疲れてたんですね」
ジョンヒョン「・・・・」
とうとう、夢さえも君に怒られる始末。
気がつけば俺はまだ、15時間揺られた飛行機の中だった。
眠たい目を擦りながら、俺は携帯をスクロールする。
まだ君には電話をかけてなかった。
ジョンヒョン「(夢か・・・)」
君に「65点」と言われた夢を思い出す。
(電話を掛けづらいなぁ・・・)
重たい足の底を地面にくっつけて。
俺は長旅で座り続けた飛行機の座席から重い腰を持ち上げた。
ずっしりと鉛のように重たい疲れの取れないからだを奮い立たせて、
よろりと、前を歩いてたミンホの腕に掴まった。
ミノ「・・・お疲れ?」
ジョンヒョン「まぁ、そんなとこ」
ミノ「あなたは100%出し切らない時ほど落ち込みますよね」
ジョンヒョン「大人になるといやだね、変にセーブする癖を覚えちゃう」
ミノ「あなたまだ十分子供ですよ」
ジョンヒョン「うるせっ」
前を歩くでかい男を足蹴にしながら、心では君を考える。
(あ――・・頼むから100%だったって言ってよ)
(ウソでもいいから・・)
君の声がききたい。けど、怖くて電話ができない。
君の声に100%支配されてしまう自分がいる。
ジョンヒョン「・・・・」
ミノ「どうか、した?」
ジョンヒョン「俺、ヌナに嫌われたかも・・」
ミノ「姉さんはここで歌えなくなるほうががっかりすると思いますよ?」
ジョンヒョン「そう思う?」
ミノ「僕たちは全世界のファンに平等でなくちゃならない。そうでしょう?それは、踊れなかったあなたが一番よく理解してるんじゃないですか?」
ジョンヒョン「・・・・」
ミノ「あなたが誰よりも悔しい想いをした時、あの人は一番理解してくれたと思いますよ。だからきっと、今のあなたの気持ちも、ヌナは理解してくれてると思う」
ジョンヒョン「・・・・サンキュ、」
小さくそう言って肩を叩いたら、少しだけ体が軽くなった気がした。
君に電話をする勇気がわいてきたよ。
でも頼むから怒らないで。
きみにきらわれたら生きていけないから。
遠い地で。
網膜に焼き付けた愛しい君の姿だけで頑張るから。
想いが募りすぎて見つめられもしなかった・・
一瞬で、鮮明に焼きつく君の姿だけで。
俺は今日も頑張って・・また君の胸にかえるよ。
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