□誰も知らない
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なまえ「ジョンヒョンにはさ?嫌なものとかないの?」



どうしたんだろう、今日のなまえちゃんは。

いつにも増してなんだか機嫌が悪そうだ。


だいたいいつも、俺が浮気してるとか浮気したとか、浮気してるだろ、とかその手の口に話で怒られるわけだが。(いやまったくの濡れ衣だが)

今日はなんだかそんな様子でもなさそうだ。



ジョンヒョン「・・・・どったの?」



きょとん?とした顔で、俺はいつものようにジャケットを脱いで言った。


なまえ「ジョンヒョンは何?うしろから入れられるのもアリなの?爪を立てられるのもアリなの?!」






ジョンヒョン「・・・・いや、アリじゃ・・ねーし」





がっくり、と肩を落として上着をハンガーにかける。


お前のもよこせと、片手にハンガーを持ったままなまえに手を伸ばす。


なまえはふてくされたような表情で、コートを俺に渡してきた。



海の見える小さなホテル。

この辺は田舎だ。街灯なんてほとんど立ってない。


見えるのは暗闇だけ。


カーテンをちらりと開いてあたりを確認し、俺は間接照明を少しだけ暗くした。



密会には丁度いい。

アイドルの俺とふつうの君が恋をする隠れ家。

















【誰も知らない】









ジョンヒョン「なまえちゃん、また何か変なの読んできたでしょ?」


なまえ「変じゃないよ、小説だもん」



ジョンヒョン「ファンフィクションっていうのは一般的には変なものが多いの。おかしいでしょ?メンバ-どうしてイチャイチャしたりするの!」


なまえ「おかしくないよ!」


ジョンヒョン「俺と寝ててよく言うわ!」



力いっぱい肯定されたって俺だってそこは譲れないわ!
しーん、となる空気。


さっきまでようやくなんやかんやで言い包めて、甘ったるい空気にまで持っていって、下着も全部とっぱらって。いま俺となまえちゃんは生まれたままの姿でベッドの中に密着して入ってるっていうのに。

なまえちゃんはちっともその気になってくれない。



なまえ「・・・・ジョンヒョンはどうしてテミンの時は上なの?」


しかもなまえちゃんはご丁寧にサイドテ-ブルに置いてあった携帯を開いて俺に画面を見せてくる。


ジョンヒョン「・・・いや、それ俺じゃねーし」


そういってもきくような女じゃない。



なまえ「ジョンヒョンは、なに・・・?わたしとやってても気持ちいいの?」





(いやいやいや。気持ちよくなきゃ呼ばないだろ?ここに?)





と、思ってもそんなことが通じるような女なら苦労しない。


彼女はそんな一筋縄じゃ行かない。




ジョンヒョン「じゃあ何?なまえは俺がミノやテミンとしてる方が気持ちい言っていうの?」


なまえ「うん・・・なんか、負けてる気がする」



お前の勝ち負けの基準はどこにあんだ、

とももうあえてつっこまない。



ジョンヒョン「それで俺はじゃあどうやって証明すればいいの?」




なまえ「え?証明?」



なまえはきょとんとしている。




ジョンヒョン「だって、必要だろ?お前がいちばん気持ちいい!って証明がさ」


なまえ「・・・・・・・・え、いいよ。わたしあの2人になら潔く身を引くし」


ジョンヒョン「簡単に俺を、手放すな!」




思わず俺の方が必死になってしまった。


まったくなまえときたらなにを言い出すかわからない。


俺の方がいつもひやひや肝を冷やしてるって言うのを、本人はまるでわかってない。




ジョンヒョン「なまえちゃんが望むことをするよ。・・・それで満足するのなら」


なまえ「どえむ。・・・それだから掘られちゃうんだよ」


なまえちゃんが俺の鼻を摘まむ。



俺はへらりと笑って君の胸の顔を埋めた。




なんだっていいんだ、



君の機嫌が良くなってくれるなら。










君に惚れてるどうしようもない俺。



俺だけ知ってる、







【誰も知らない】

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