□ごめん・・・すき
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なまえ「・・・・テミンくん。あ、のさ?」






コチコチ時計の秒針が動く音ばかりが耳につく。

シーツの擦れる音や、布団をもぞもぞさせる音。


ここは、寝室。



ジョンヒョンの部屋で寝る予定だったんだけど、おっとうっかり部屋に入れない雰囲気醸し出されてて。

おかしいな。あたし彼女だった・・・け?なんて。

真っ白になる頭で考えてフリーズしてた時、テミンくんから声がかかった。



テミン「・・・・僕の部屋で寝れば?」



終電はない。

帰る場所はない。



今日はとりあえず・・・テミンくんの部屋で、寝る?



なんとなく自然的な流れではあった。


真っ白になってたあたしの頭の中では。






・・・





なまえ「・・・・テミンくん。あ、のさ?」



時計の音だけがうるさく響くしずかな真っ暗な部屋の中で。


背を向けてたはずのテミンくんが、


テミン「なぁにヌナ?」


次の瞬間にはもうあたしの肩に手を置いて、背中に密着してきていた。


それはほんの少しの布団の擦れる音だけで。



(どんだけ近くに居たんだよ…!)



なまえ「・・・あ、いやιそんな・・・近くなくてもいいやι」


テミン「小さい声で話さないとジョンヒョニヒョンに聞こえちゃうよ」


なまえ「いや、聞こえてもいいからι」


テミン「え、じゃあ、僕の彼女ですって言ってイイってこと?」


なまえ「・・・・・・・違うってば、」



思わず肩から腕を払い除ける。



テミン「どう違うの?」



テミンはめげずに近づいて、耳元にフーッと息をふきかける。



なまえ「ちょ、ぉっ、」


テミン「一緒に寝てるんだよ?」


なまえ「別々の布団でね!」


テミン「そっちいこっか?」


なまえ「近い近いちかい!!!」



ワッと布団を捲るテミンを押さえるように両手をテミンの胸に置くと、


パシン、とその手首を掴まれた。



テミン「・・・・・やっぱだめ、」



ぐんっ、と迫ってきたテミンが首筋に顔落とす。吸い付かれそうになった体を離そうと、一瞬でガード体勢に入るが、そこは相手が男の子。

あっという間に両腕をからだの横に固定されてしまう。


なまえ「Σやぁだちょっとっι」


テミン「陵辱できちゃう」

なまえ「変な単語ばっか覚えないで!」


テミン「・・・・だって。なまえヌナはどんな気持ちで一緒に寝るなんて言い出したの?」


なまえ「一晩帰れないからでしょ?!ι泊めてくれるのに下心なんて考えるわけ?」


テミン「考えるでしょ」


なまえ「・・・・・」




テミン「・・・・・・なまえはお人よしなんだね」




ぐさりと胸を打つ言葉。


今のあたしに言われてるみたい。




『ヌナは本命じゃないのにね』





そう、言われたみたいで。


心が痛くなる。




ずーんと心が重たくなったところで、テミンくんがスッ、と上体をあげて私から離れていった。



なまえ「・・・どうしたの?」


きょとん、とするわたし。




テミン「これ以上この体勢でいたら、ほんとにシたくなっちゃうよ」




ふいっ、と向うを向いて、ごろりと横になったテミンくん。


















テミン「・・・・ごめんね・・好きで・・」






布団を頭から被る前に。そう、小さく呟いた・・・。






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