□ボストンテリア
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なまえちゃんちで飼ってる犬は、メスなのに"ジョンヒョン"という。
なまえ「おーい、ジョンヒョン〜〜?」
美味しそうな高級ペットフードをジョンヒョンにあげる、優しいなまえちゃん。
ジョンヒョン「お前は毎日俺よりいいもん食ってていいな〜〜」
頭を撫でてやると、
餌の邪魔だったのか、むしゃむしゃもぐもぐと頭を上下に振っていたジョンヒョンが、ブンブンっと俺の手を払うように耳を動かす。
白と黒のぶち模様のボストンテリア。
ある日俺がなまえちゃんの家に行ったらいきなり
"居た"。
「買ったの?」と訊くと、「寂しかったから」なんて、かわいい返事が返ってきて俺の心を掻っ攫っていったなまえちゃん。
俺のいない間の心の隙間を埋めてくれるのが、俺と同じ名前の犬だなんて…可愛がらずにはいられない。
なまえは俺の心を操る天才なのか…
俺はまんまとはまってジョンヒョンに貢物を贈る…。
なまえ「ちょっと郵便局行ってくるから、ジョンヒョンとお留守番してて?」
ジョンヒョン「ヌナ、どっちに言ってるの?」
なまえ「言葉が喋れる方よ!」
肩を揺らしてクツクツを笑いながら、ドアの向こうに消えてくなまえを見送り、
俺は今日買ってきたほねの形のおもちゃを袋から開けた。
ジョンヒョンはすぐに、興味津々に寄ってきて俺の腕にじゃれる。
ジョンヒョン「わかったから!ちょっと、待てってっ」
愛くるしい表情で俺の片手に持たれたほねを一心不乱に尻尾を振って追い回すようにジャンプする犬は、
まるで"自分"というよりも、なまえに似ていた。
よく2人でとったポラロイドを、まず最初に俺が見るって取り上げるのを…いつもあいつが腕を伸ばして取ろうとしたっけ…。
ジョンヒョンは、わふっ、と一瞬の隙をついてジョンヒョンの手からほねをキャッチする。
ほねが取れると、今度は一緒に遊んでほしいのか、もう一度高く上げるようにそれを銜えてジョンヒョンの前に持って戻ってきた。
ジョンヒョン「なんだよ…もっと遊んでほしいのか?」
ジョンヒョンはほねを受け取ると、今度は高く上げたり、後ろに隠したりする。
そのたんびに、ジョンヒョンはぴょんぴょん跳ねながら、ジョンヒョンの周りをくるくる回った。
ジョンヒョン「・・・・・かわいい、やつめ」
いつの間にか"夢中"になってしまうこいつは、俺と同じ名前の犬。
だけどなんだかこれは・・・
ジョンヒョン「お前、なまえちゃんそっくりだなぁ…」
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