□やっぱり俺のこと好きでしょ?
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ジョンヒョン「なんでキボムと別れたの?」
○○○「別に別れたとか言ってないし」
ジョンヒョン「別れてなきゃ彼氏の部屋から私物撤去する必要ないでしょ?」
○○○「あ・・あたらしいのに返るのかもしれないじゃない!」
ジョンヒョン「その、新しいのは?」
○○○「こ、これから買いに行くのよっ」
ジョンヒョン「俺、今日暇ながら付き合ってやろうか?」
○○○「今日買うなんて言ってないわよ!」
ジョンヒョン「あ、っそう?」
小さなダンボール箱に収まった、ちんまりした私の私物たち。化粧品に・・歯ブラシにマイコップにお気に入りでお揃いで買った銀のスプーンの片割れ・・・。
私はキボムの棚の中に飾ってあった写真たてから、スッ、とその写真を抜き取った。
その写真の裏から、昔の女の写真が出たら嫌だなって、一瞬抜く時ヒヤリとしたけど・・・
出てきたのはメンバーと世界遺産を見に行った時の写真だった。
溜め息と共に肩を撫でおろす私の後姿を見て、ジョンヒョンがまたうしろでクツクツと笑う。
○○○「いい加減そこから離れてよ!」
ジョンヒョン「俺がここに立ってた方が、キボムが帰ってきた時に"逃げやすい"と思うぞ〜?」
そう。
これはいわば不法侵入だ。キボムには無断で入って、彼の部屋に忍び込んで、彼のものを漁ってる。・・・いや、彼のというか、自分のなんだけど・・・。
私はさいごに、キボムの大事にしてる机の右上の引き出しをそっと開けた。
今まで開けたことは一度もないし、中身を見たこともなかったけど・・・
おそらくは・・・
自分が・・・
キボムにあげた手紙が入っている、気がした。
あの人は・・・
そういうものを大事にする人だし・・・。
そして案の定、そこには手紙が入っていた。
ジョンヒョン「・・・あったのか?」
○○○「・・・・・うん、」
けどそれは・・・、私のものじゃなかった。
知らない名前の女の人からだった。
わたしはそれを、スッと見なかったことにして引き出しを閉じて。
ダンボール箱を抱えて部屋を出て行こうとした。
ジョンヒョン「待てよ。俺今日暇だって言ったじゃん?」
○○○「だから?ジョンヒョンに付き合う気なんてないけど?」
ドアの前でとうせんぼするジョンヒョンに、私はいらっとした顔で彼の腕をすり抜けようとする。
腕の下を通りぬけようとした瞬間
彼の手が私のうなじを撫でる。
すっきりとしたショートカット。
うなじも首の後ろもばっちり見えるようなベリーショート。私が彼に会った時もこんなに短かった。
いつからだろう・・・。
髪を伸ばすようになったのは。
どうして彼のために髪を伸ばしてたんだろう・・・。
どうして・・彼は私に髪を伸ばしてほしかったんだろう・・・?
ジョンヒョン「俺、ショートの子が好きだなんて、キボムにしか言ったことねーんだけどな?」
○○○「え?」
くるりと振り返る間もなく、ジョンヒョンが私の肩に顎を乗せて首筋に息をかける。
ジョンヒョン「○○○ちゃんやっぱり俺のこと好きでしょ?」
そう言ってジョンヒョンは、私の腰にするりと腕をからませて抱きしめた。
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