□心臓を捧げよう
1ページ/1ページ





地位や名誉?それとも権力?

財産?お金?宝石?


君が欲しいものは、どれも違うって言うね。



だって君が本当に好きなのは、俺だから。





ジョンヒョン「なまえちゃん、こんな夜中に鏡の前で何の練習してんの?」



なまえ「"心臓を捧げよう"のポーズの練習してんの」



ジョンヒョン「いや、見れば、わかる」



なまえ「"これが本物の敬礼だァ!"」




ジョンヒョン「いや、声に出さなくて、いい」




なまえ「・・ジョンヒョンこそ、こんな夜中に何しにきたの?」



ジョンヒョン「・・・・・」







なまえちゃんは、俺の彼女。


一癖もふた癖も変ってる、俺の風変わりな彼女。


なまえちゃんは今度、俺のハイタッチ会に来るらしい。


2週間も前からすこぶる楽しみにしている。


毎日パックとハンドマッサージして眠るほど期待しているのに、なぜか俺が遊びに行くと、


なまえちゃんは鏡の前で軍隊のする敬礼の練習してる。しかもそれは間違いなく俺が見てるアニメの敬礼だ。



なまえちゃんは、俺が来たのにも気に止める様子もなく、

さっきから、敬礼の場所を変えたり、お辞儀する場所を変えたりしながら、時々、そこがハイタッチなのか、両手をばんざいするポーズを取りながら、何回も練習を繰り返している。



ジョンヒョン「訊くけど、さっきからそれ、なにしてんの?」



なまえ「ハイタッチ会の練習」


ジョンヒョン「練習、必要?」


なまえ「必要!超必要!オニュから始まるのか、きーくんから始まるのかもすごい重要!」


ジョンヒョン「ちなみにその敬礼、誰にすんの?」


なまえ「こんなふざけたこと2人にしかできないよ」


ジョンヒョン「あ、そうなんだ。で、ハイタッチしたあとはどうなってんの?」


なまえ「お先に失礼します、って頭下げて帰るんだよ!」



ジョンヒョン「・・っ!」

俺は盛大にふき出して、その場に蹲るように腹を抱えて笑った。


なにハイタッチできるの1人だけって・・・っ、

え、なにそれ!

なんでそんなに頑ななんだよ・・・!



ジョンヒョン「あっはっは・・・・お嬢様はアホでいらっしゃいますか!」


なまえ「ばーか、」




なまえちゃんは、ひーひー笑う俺の顔見て、むくれたように頬を膨らませた。

ったく、

なんでこんなに真っ直ぐなんだろう。



バカ正直。


ほんと、ばかみたいにかわいい。




ジョンヒョン「なまえちゃん、」


俺は、名前を呼んで彼女を手招きした。


鏡の前に立ってた彼女は、すぐに振り向いて俺の方へ来てくれる。



なまえ「なぁに?ジョンヒョン?・・・わたし、ジョンヒョン以外と触れ合いたくないな?」


ジョンヒョン「普通ね、もっと喜ぶと思うよ?もらえるもんは貰っとくし、出来ることはしておくと思うよ?」


なまえ「でもわたしは本当に、身も心もジョンヒョンだけがいいんだもん。ジョンヒョンだけ!がいい」


ジョンヒョン「わかったわかった、」



なまえ「本当にわかってないでしょ?今、心の狭い女だって人小ばかにしたでしょ?!」


ジョンヒョン「してないって(笑)」



なまえ「笑ってるもーーんっ!!」






あー、本当に面白い。


君は本当に、俺だけが好きなんだね。










【心臓を捧げよう】



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ