□6年目の君
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1ヶ月ぶりになまえちゃんに連絡をとった。



なまえちゃんは少し・・・・いや、だいぶ、・・・ご機嫌斜めだった。















【6年目の君】















ジョンヒョン「なまえちゃん・・・どうしたの?」



なまえ「どうしたの・・・?別にどうもしないけど」


ジョンヒョン「いや、でも、怒ってる・・・よ、ね?」



なまえ「怒ってる?・・・・別に?」



ジョンヒョン「いや、怒ってるでしょ?」



するとなまえちゃんはため息を一つ吐いた。



なまえ「ジョンヒョンは私のことなんだと思ってるの?」



ジョンヒョン「え・・・かわいい・・・かのじょ?」



なまえ「ほかに女がいるんじゃないの?」



ジョンヒョン「俺にそんな暇があると思う?」



なまえ「思う」



ジョンヒョン「俺、仕事でも女の人と絡む仕事しないよね?ドラマもミュージカルもバラエティーもしないよね?俺が出るのはヒョンとMCかDJだけだよ?」


なまえ「女と絡んだこともあったじゃん」


ジョンヒョン「あれは演出で仕方なくでしょ?あのあともぜんぜん口聞いてくんなかったじゃんなまえちゃん」


なまえ「とにかく、1ヶ月に一度しか連絡をくれないような人とはもうやっていけないの!」



ジョンヒョン「この5年はなんだったんだよー」


なまえ「気の迷い」



ジョンヒョン「気の迷いで5年も続いたってか。俺はこの5年でなまえちゃんが5回職を替わってるのも知ってるし、おうちの引越しも手伝ってきたつもりでいるけど?」



なまえ「それは・・・そう、だけど・・・」



ジョンヒョン「なまえちゃんが移ろいやすい性格なのも知ってるよ。そのたんびに、歌の世界しか知らない俺にいろんな話をしてくれるなまえちゃんは新鮮だったよ」


なまえ「長続きしないのは私がダメだからだよ・・・」


ジョンヒョン「お店がなくなっちゃったのは不可抗力じゃない?」


なまえ「福を呼び込めないんだよ」



ジョンヒョン「そうかな?なまえちゃんと一緒にいて幸せになれてる人はいっぱいいると思うけど?俺とか」


なまえ「ジョンヒョンのは自分の力だよ」


ジョンヒョン「俺とか」


なまえ「煩い」


ジョンヒョン「なまえちゃんがいなくなったら俺どうやって生きていけばいいんだよー」


なまえ「ミンホとすればいいじゃん」


ジョンヒョン「俺にどうリアクションして欲しいの?」


なまえ「ミンホとすればいいじゃん」



ジョヒョン「2回言わなくていい。俺はなまえちゃんしか好きじゃないから」



なまえ「その好きな人に1ヶ月に1回しか連絡しないってどういうことなのかな?」



ジョンヒョン「連絡したら会いたくなっちゃうじゃん。30日だってメールしたらいきなりダァイスキなんて甘ったるいメールしてくるから会いたくなっちゃって・・・」


俺はけっこう、抜け出したことをマネージャーにこっぴどく怒られたんだぞ、って言葉は、飲み込んだ。


旧正月ともなれば、ようやく俺たちメディアに出る人間にもこうして休みがやってくる。

少し前までそれでも地方巡業やらなんやら正月も祝えない状態だったけど、こうして休みをもらえるようになったって言うことは、この5年で成長したということなんだろう。


年末からニューイヤーを迎えるイベントが目白押しで、この1ヶ月は本当にハードだった。

加えて今度始まるコンサートの打ち合わせや準備なんかが入り、連日いろんなことの会議に参加することも多かった。



ようやく休みがもらえるとわかっても3日前とかが多くて。平日なまえちゃんが仕事で忙しいのなんて目に見えてるし、連絡したって会えるわけじゃない。


土曜日に連絡があったのは知ってるけど、俺はその日ヒョンたちと収録の打ち合わせがあったから会えなかった。

ごめんねって送った後に、埋め合わせのメールは出せなかった。


次にいつ休みになるかわからなかったから。


会える時は会えるんだ。芸能人にだって暇な時はある。月に3回以上会える時だってあるんだ。


だけどそんなの稀で、基本時には月に2回がいいペース。


いままでだってこの5年で、月に1度しか会えない時はざらにあったんだ。


それなのに今回に限ってご機嫌斜めなのは・・




もう、限界って・・・ことなんだろうか?






なまえ「ジョンヒョンは・・・・他に、好きな人がいるの?」



ジョンヒョン「は?」


なまえ「だって。どう考えたっておかしいでしょ」



ジョンヒョン「おかしくないよ。なまえちゃんの方がどうかしてるんじゃないの?俺が、なまえちゃん以外を好きになると思う?」


なまえ「いや、なったよね?」



ジョンヒョン「あれは、理由を説明したでしょ?」


なまえ「ぜんぜん信用できない」



ジョンヒョン「なまえちゃんは1ヶ月会わないだけで俺のことが嫌いになるわけ?好きな気持ちはなくなっちゃうの?ならないでしょ?」


なまえ「気持ちって移ろうから」


ジョンヒョン「それはなまえちゃんの職場だけでしょ」


なまえ「・・・」


ジョンヒョン「俺は1ヶ月で気持ちがブレたりしないよ」


なまえ「その1ヶ月が・・・」


ジョンヒョン「1ヶ月が12ヶ月あって、それが×5年分経っても、俺の気持ちはブレてないよ。なまえちゃんの生活環境がこの5年でどんだけ変ったって、俺だけはずっと一緒にいたでしょ?なまえちゃんのお父さんが○○電工退職しても俺ずっと一緒にいるでしょ?」


なまえ「何でうちのお父さんの会社まで知ってんのよ」


ジョンヒョン「俺はなまえちゃんマニアだから」


なまえ「ジョンヒョン実はうちのお母さんの母校も知ってるんだよね」



ジョンヒョン「○中でしょ?なまえちゃん前言ってたじゃん」


なまえ「ふつー覚えてないよ」


ジョンヒョン「俺なまえちゃんのこと大好きだから」


なまえ「気持ち悪い」



ジョンヒョン「俺、なまえちゃんに捨てられたらなまえちゃんのストーカーになるよ!」



なまえ「真面目な声で言うな」



ジョンヒョン「そうか・・・・俺、なまえちゃんのストーカーになろうかな。暇があったらなまえちゃんちの前ではってるから。ストーカーと彼氏、どっちがいい?」



なまえ「ストーカーって言うと思う?」



ジョンヒョン「じゃあ、彼氏って言うしかないね」



なまえ「・・・・・ほんとだね」



なまえちゃんは棒読みみたいに呆れた声で言って、乾き笑い。



なまえちゃんはもう、家族なんだよ。


なくてはならない存在なんだよ。



もうそれを、いまさら手放せなんて、できるわけが、ない。






ジョンヒョン「なまえちゃん、」



なまえ「ん?」



ジョンヒョン「別れ、ないで・・・しょ?」



なまえ「別れるっていうとストーカーになるんでしょ?」



ジョンヒョン「うん」



なまえ「それじゃあ別れないよ」



ジョンヒョン「え・・・なまえちゃん、はさ、」



なまえ「ん?」



ジョンヒョン「俺のこと・・・・・・・・好き、だよね?」




なまえ「好きだよ。好きでつらいんだよ」



ジョンヒョン「よかった。俺も・・・つらい。なまえちゃんと1ヶ月に1回しか会えない時は」



なまえ「・・・・・・・・うん、」





ジョンヒョン「おんなじ気持ち、だからね?」





なまえ「・・・・うん」







ジョンヒョン「ちゃんと1日の終わりには、なまえちゃんのこと考えてるからね?」





それを・・・・・声に出さないだけでね。


だって言ったら、きっと俺、すぐに君に会いたくなっちゃうんだもん。



なまえちゃんにメロメロだから。


俺けっこー、我慢してるんだからね?



1日分フルに使って、1か月分の君を取り戻して俺ン中に補充させるための・・その、1日捻出するのに・・・・・






ジョンヒョン「俺、けっこーがんばってるかんね?」




なまえ「・・・・わかってる」






だから、別れるなんて言わないでね。






【6年目の君】





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