□どうしてもだめなこと
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いつも優しいオンユさんにも、人生で一度だけ怒ったことがあるんだって。


それは自分の彼女で。


本当にほんとうに優しいオンユさんだから、彼女の何に怒ったのかって気になって聞いたら、・・・浮気、なんだって。


そんなに優しいのにどうして・・・・駄目だったんだろうね、って訊いたら。


・・・・優しいから・・・・駄目だったんじゃないかな、って。オンユさんは優しくそう言ったの。



彼女は、自分の友達のことを好きになっちゃったんだって。


でもそれは、気持ちだからしょうがないよねって私に言って、許すように笑った。


それでも小さな声で呟くように・・・でも友達も止めてくれてもよかったよね?僕の気持ちを知ってたんだからさ、って。


私は何も言えなくなってしまった。



奪い返そう・・・とは思わなかったの?と言ったら、オニュは少し冷めた表情をした。



オニュにとって相手がいなくなってしまったと同時に、愛が冷めてしまうんだな・・・って。私はオニュの顔を見てそう思った。


オニュは・・・誰か・・・トモダチの彼女を好きになったことはないの?と訊いたら、う〜ん・・どうだろ・・・と少し考えるそぶりをして。


なってみないとわからないな、って答えた。


自分も奪ってやるとは思わない?と尋ねると、オニュは私の目をじっと見つめて。



もし友達の彼女が僕に迫ってきたら、「迷惑だ」ってはっきり言って突っぱねるね。でも、僕が好きになっちゃったら・・・・どうしよう・・この気持ちには・・・蓋をするしかないのかな?って、私にはにかんだ。




そこに、レコーディングを終えたジョンヒョンが部屋から出てきた。


廊下に座っていた私はパッと立ち上がる。




ジョンヒョン「お〜待たせたね、ごめんね」


オニュ「ううん、楽しかったから平気」


ジョンヒョン「なまえちゃんと何話してたの?」


なまえ「オニュさんの過去の恋愛話」


ジョンヒョン「なにそれ俺も聞きたい」


オニュ「今度ね」



オンユさんは平気な顔してにこにこ笑ってレコーディングスタジオに入っていった。



なまえ「オンユさん、あんなに優しいのに・・・彼女にすごい怒ったことあるんだって」


ジョンヒョン「嗚呼・・・浮気の‥でしょ?俺だって怒るよ」


なまえ「うそだぁ〜ジョンヒョンだったら号泣でしょww」



茶化すように笑う私に、ジョンヒョンは至極真面目な顔をして言った。



ジョンヒョン「なまえちゃんは・・・・だめだよ?」


なまえ「えっ?」


ジョンヒョン「なまえちゃんは駄目ですよって・・・俺、云ってあるからね」


なまえ「・・・・・・え、?」



ジョンヒョン「ヒョンのコト・・好きになっちゃったりしたらだめだかんね」



なまえ「も〜大丈夫だよ〜オンユさんも迷惑だって言うって言ってたよ?」



ジョンヒョン「そりゃあ俺がダメだって言ってるからね。ルール違反でしょそんなの」



なまえ「え・・・?」




ジョンヒョン「だからなまえちゃんも・・・・ちゃんと断ってくれなきゃだめだよ?」





「迷惑だ」、って。








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