□どうしてもだめなこと
1ページ/1ページ
いつも優しいオンユさんにも、人生で一度だけ怒ったことがあるんだって。
それは自分の彼女で。
本当にほんとうに優しいオンユさんだから、彼女の何に怒ったのかって気になって聞いたら、・・・浮気、なんだって。
そんなに優しいのにどうして・・・・駄目だったんだろうね、って訊いたら。
・・・・優しいから・・・・駄目だったんじゃないかな、って。オンユさんは優しくそう言ったの。
彼女は、自分の友達のことを好きになっちゃったんだって。
でもそれは、気持ちだからしょうがないよねって私に言って、許すように笑った。
それでも小さな声で呟くように・・・でも友達も止めてくれてもよかったよね?僕の気持ちを知ってたんだからさ、って。
私は何も言えなくなってしまった。
奪い返そう・・・とは思わなかったの?と言ったら、オニュは少し冷めた表情をした。
オニュにとって相手がいなくなってしまったと同時に、愛が冷めてしまうんだな・・・って。私はオニュの顔を見てそう思った。
オニュは・・・誰か・・・トモダチの彼女を好きになったことはないの?と訊いたら、う〜ん・・どうだろ・・・と少し考えるそぶりをして。
なってみないとわからないな、って答えた。
自分も奪ってやるとは思わない?と尋ねると、オニュは私の目をじっと見つめて。
もし友達の彼女が僕に迫ってきたら、「迷惑だ」ってはっきり言って突っぱねるね。でも、僕が好きになっちゃったら・・・・どうしよう・・この気持ちには・・・蓋をするしかないのかな?って、私にはにかんだ。
そこに、レコーディングを終えたジョンヒョンが部屋から出てきた。
廊下に座っていた私はパッと立ち上がる。
ジョンヒョン「お〜待たせたね、ごめんね」
オニュ「ううん、楽しかったから平気」
ジョンヒョン「なまえちゃんと何話してたの?」
なまえ「オニュさんの過去の恋愛話」
ジョンヒョン「なにそれ俺も聞きたい」
オニュ「今度ね」
オンユさんは平気な顔してにこにこ笑ってレコーディングスタジオに入っていった。
なまえ「オンユさん、あんなに優しいのに・・・彼女にすごい怒ったことあるんだって」
ジョンヒョン「嗚呼・・・浮気の‥でしょ?俺だって怒るよ」
なまえ「うそだぁ〜ジョンヒョンだったら号泣でしょww」
茶化すように笑う私に、ジョンヒョンは至極真面目な顔をして言った。
ジョンヒョン「なまえちゃんは・・・・だめだよ?」
なまえ「えっ?」
ジョンヒョン「なまえちゃんは駄目ですよって・・・俺、云ってあるからね」
なまえ「・・・・・・え、?」
ジョンヒョン「ヒョンのコト・・好きになっちゃったりしたらだめだかんね」
なまえ「も〜大丈夫だよ〜オンユさんも迷惑だって言うって言ってたよ?」
ジョンヒョン「そりゃあ俺がダメだって言ってるからね。ルール違反でしょそんなの」
なまえ「え・・・?」
ジョンヒョン「だからなまえちゃんも・・・・ちゃんと断ってくれなきゃだめだよ?」
「迷惑だ」、って。
.