□サプライズ
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社員用の通用口。


いつもと同じ遅い帰宅時刻にそのドアを開けると、暗がりの花壇のところに男の人が座ってる。


ジョンヒョン。


脚を開いて指をくむ様に座っていた彼は、私を見つけるなり立ち上がって、笑顔でこちらに向かってきた。




ジョンヒョン「おかえり!おつかれ!」



なまえ「え?え、てか、何?何できたの?」



ジョンヒョン「ナンデ、って・・・彼氏が彼女に会いに来ちゃいけないの?」



なまえ「いけなくないけど、ふつー仕事だよね?今何時?てか、何できたの?」



ジョンヒョン「タクシー」



なまえ「いや、その前に飛行機乗ってんだろ」



ジョンヒョン「ひこーき乗ってタクシー」



なまえ「テミンは?一緒?」



ジョンヒョン「なんでテミン?」



なまえ「オイ」



ジョンヒョン「なまえちゃん、ケータイ貸して」



なまえ「え、なんで?電池切れ?」



ジョンヒョン「俺の端末だと出来ないから」




無意識で携帯を渡してしまってから、ハタと気が付く。




なまえ「何ダウンロードしてんの?」



ジョンヒョン「ポケモンゴー」



なまえ「・・・まさか、それやりに日本来たとかじゃないよね?」




ジョンヒョン「大丈夫、ラスフェスもやるつもりできてる」



なまえ「スプラトゥーンの心配じゃねーよ」



ジョンヒョン「夜は長いんだし、マックでも寄ってこうぜー」



なまえ「ほんとにもう・・・これだからオタクは・・・」



ジョンヒョン「明日テミナと対戦するんだ♪」



なまえ「あいつもやってんのかい。先にやってたら負けちゃうんじゃないの?」



ジョンヒョン「大丈夫。あいつまだLV3だから。俺はこの一晩で6までいく」



なまえ「意味が分からん。寝ろし」




ジョンヒョン「なまえちゃん、」



なまえ「ん?」




せっかく、彼氏が急に不意打ちで迎えになんて来るから‥心臓飛び出るほど喜んで嬉しかったのに。



ジョンヒョン「イーブイゲットしたよ」



なまえ「どーでもいいー」



まったく、とんだサプライズだよ。




横でにやにやしながらスマホの画面を見つめるジョンヒョンを見つめて小さくあきれ顔で溜め息。本当は、顔が見れてすごく幸せだ、なんて。
ぜったい、言ってやんないんだからね!







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