□僕は料理ができないので作ることができないです
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もっか洗濯物を取り込んでるなまえちゃんに、電子レンジで軽く温めた「カレーパン、トースターに入れてー?」って言われて、電子レンジを開けることはできたけど、中に入ってるカレーパン取り出すことはできたけど、予熱されてるあつあつのトースターの中に、カレーパンのこの四角い紙袋に入ったまま入れたら紙は焼けないのかな?焦げないのかな?それともこの紙から外してトースターに入れたらいいのかな?このまま入れたら熱くないかな?トング?なんか挟むやつで入れるのかな?そもそもなんでこのトースターあったまってんのかな?


・・・って、考えてカレーパンテーブルの上に置いたまま固まってたら、


洗濯もの取り込み終わったなまえちゃんが、ものすごい渋い顔で僕を見てきた。




なまえ「ベランダに一番近かったテミンに今、雨降ってきたから洗濯物取り込んで?って言ったらツムツム始めちゃったからあと60秒待ってって言ったよね?」


テミン「言った」


なまえ「だから私が食べようと思ってあっためてたカレーパンから離れてトースター予熱してあるからチンって鳴ったらトースターに入れてねって言ったよね?」


テミン「うん、言った。取り出すことはできたの」


なまえ「なんで予熱終わってんのにトースターに入ってないわけ?」


テミン「外の紙が中に入れたら燃えるんじゃないかなって」


なまえ「外せば?」


テミン「そもそもなんでレンジでチンしたのにトースターで焼くの?」


なまえ「外がカリッとなった方がおいしいでしょ?」



テミン「あ〜なるほどね〜」



なまえは呆れたようにため息を吐き、冷めた目で僕を見ながら、少し冷たくなったトースターにカレーパンを放り込んだ。



なまえ「テミンとは何か・・・・全然噛み合わないよね?」



テミン「そう?でも僕は、なまえちゃんがいないと何もご飯が食べられない」



「でしょうね」って呆れた声で言いながら、なまえちゃんは外側がカリッ!となったカレーパンを取り出してまた四角い紙に入れて僕に手渡してくれた。



いただきますをしてトースターの前でそのまま立ち食い。外側はカリカリで中のパンがふわふわ、カレーがちょうどいい具合に溶けてとろっとろになってた。


テミン「うンまっ!」


僕が驚いた顔で破顔したのが面白かったのか、さっきまで険しい表情だったなまえちゃんが一気に表情を緩めてくれて、許すように息を吐いた。


なまえ「テミンのその顔が見たかったんだよ。出来立ての時と同じように食べて欲しかったの。地元で有名なカレーパンだから・・・出すまで内緒にしたかったけど雨降ってくるし・・・洗濯入れてって言ってるのに入れてくれないし、しょうがないからカレーパンばれちゃうけどトースターに入れてねって言ってもやってくれないし・・・」


テミン「僕が・・・悪いの?」


なまえ「私が悪いわけ?」


テミン「いえ、ぼくがわるいです・・・」



なまえはふくれっ面で、もう一個のカレーパンを口に入れた。

ふたりで咀嚼しながら「美味しいね」って笑う。

外は本降りの雨になってきて、せっかくの休日だけと今日は家の中で過ごすことになりそう。美味しいものを食べて少し気を緩めてくれた彼女に僕は言う。





彼女は「知ってる、」と言って指についたカレーをぺろりと舐めて笑った。














【僕は料理ができないので作ることができないです】

















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