□チョア
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わんわんのように・・・・

犬・・・・の、ように可愛がっていたジョンヒョンに


敬意を払うようになったら、





それはもう、違う感情なんじゃないだろうか――?










オニュ「・・・・は?」





くそまじめにそう質問を投げかけたら、目の前のオニュからは直球で予想通りの返答が返ってきた。



なまえ「・・・いやιジョンヒョンはかわいいよ?可愛いのよ。そこには変わりないんだけど・・・・なんだろ・・・真面目なの!生き方そのものが!」


オニュ「・・・・まるで。僕が真面目じゃないみたいじゃない?」


なまえ「いやιそうは、言ってないよ?」


オニュ「ダウンのベンチコート来てリハやってんの責められてるみたいじゃない?」


なまえ「責めてないι責めてないよオニュι」


オニュ「寝坊もしてないし、遅刻もしてないよ?」


なまえ「だから責めてないってば!ι」




真顔で返されて、私はもうたじたじになるしかない。



オニュ「僕が器用じゃないの・・・・知ってるでしょ?」


なまえ「うん・・・・知ってる」



オニュ「それでも何か・・・・なまえは僕に求めたいものがあるの?」


なまえ「ないよ!ない・・・けど・・・・、」



言葉に詰まる。

オニュは少しだけ身を乗り出すように背筋を伸ばした。




オニュ「ジョンヒョンが実直なのは前からわかってたでしょ」


なまえ「・・・・うん」


オニュ「わんちゃんみたいって可愛がってたのは、彼が素直で律儀で礼儀正しかったからじゃないの?」


なまえ「はいそうです、御尤も」


オニュ「それを今更敬意に値するって・・・どうなの?」


なまえ「はい、仰る通りで・・・・どうし、たらいいんですかね?」


オニュ「僕に振る?」


なまえ「Σいや!ほんとに!ジョンヒョンかわいいとしか思ってなかったの!思ってなかったんだけども・・・・!」


オニュ「ストップ、」



なまえ「へっ?」


急にオニュが待ったをかけるように右手を上げるので、私も言葉を飲み込んだ。



オニュ「確認するけど、なまえは誰のものなの?」


なまえ「オンユさんです!間違いないです」


オニュ「だよね?じゃあこれ今どんな争点があるの?」


なまえ「争点って言うか・・・・相談・・なんだけど・・・・」


オニュ「何を相談する必要があるの?」


なまえ「この感情が、なんなのかについて?」


オニュ「ジョンヒョンは僕達の弟でしょ?それ以下でも以上でもないでしょ。友達であって仲間であって家族である・・・・そこには一定の敬意も尊敬も含まれてるんじゃないの?そうじゃなきゃお互いを尊重できない」


なまえ「う‥っι」


オニュ「ジョンヒョンは僕を超えてこようとはしないし、弟のことは一番に可愛がるし・・・・そう言う線引きって誰にだってあるでしょ?なまえだって僕を尊重してくれてた。違うの?」



なまえ「う〜・・ん・・なんか、急にね?ジョンヒョンって・・・すごいな、って」


オニュ「僕がすごくないみたいな」



オニュの言葉に、私は苦笑いしてしまう。



なまえ「身近にいた人が・・・・こんなに急変してしまって・・・びっくり、して、るんだ‥」


オニュ「ジョンヒョンは最初からすごかったよ。なまえだってすごいすごいいってたじゃない?」


なまえ「うん、言ってたけど。言ってたけどそんなんじゃなくて・・・・もっとうんと、すごかったの」


オニュ「僕がすごくないみたいな」



なまえ「2回言わなくていい」



オニュは目の前にあった冷めた紅茶を飲み干すと、深呼吸するように息をゆっくり吸ってはいた。



オニュ「ジョンヒョンはすごいね。僕が持ってないものをみんな持ってる」


なまえ「そんなことないっオニュに自分を卑下してほしいわけじゃなかったの、ごめん・・・」


オニュ「でも僕はジョンヒョンにはなれないし、ならない」


なまえ「うん、」


オニュ「あと、ジョンヒョンは最初からワンチャンではなかった」


なまえ「はいそうです、その通りです」


オニュ「なまえは最初からジョンヒョンを可愛がり過ぎてたよ」


なまえ「そうかなぁ」


オニュ「今はペットとして見てる分にはよかったけど、これが一人の男として尊厳が見え隠れしだしたらまずいなって思ってたよ」


なまえ「あ、思われてた?」


オニュ「なまえにとって今までのジョンヒョンは二次元のキャラと同じだったんだよ。いっても2.5。好きなキャラの声優さんと同じレベル」


なまえ「そうかなぁ?」


オニュ「だから、生身の人間として意識したことはなかったんだよ」


なまえ「それってつまり・・・・どういう、ことになるの?」


オニュ「どういうもこういうも・・・・進化したんじゃないの?ポケ●ンみたいに」



なまえ「ジョンヒョンが?」



オニュ「なまえの中でね?」



なまえ「私・・・・ジョンヒョンのコトすきなのかな?」



オニュ「好きじゃないって念じとけば?」



なまえ「へっ?」



オニュ「なまえは誰のものなの?」


なまえ「オニュのものです!」



オニュ「・・・・じゃあ、そう思ってないとおかしなことになるよね?」


なまえ「でも・・・・こんな風に思ったことなくて・・・」




もの思いにふけるようにため息がこぼれる。



オニュは呆れた顔をして私を見た。




オニュ「僕は結論を変えるつもりはないからね」



そう言って席を立ってしまった。




尊敬や敬意・・・・これは新しい感情なんだけどなぁ・・・・。


こんな気持ち・・・・感じたことなかった。




この気持ち、なんて言うんだろ?







 

【チョア】









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