□ハッピーメリークリスマス
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子供の頃、クリスマスプレゼントってどんなだった?



ちゃんと、サンタさんが届けに来てくれた?











なまえは、サンタさんを真剣に信じてたんだって。


まじめだねって言ったら、なまえは可笑しそうに笑って、それから真面目な顔して、


「私、サンタさんが親じゃない証拠を掴もうとして、毎年家じゅうを探し回ってたの」


って言うんだ。

それで見つかったの?と訊くと彼女は、


「ううん、見つからなかった。それでもクリスマスの夜になると欲しいものが枕元にあるから、」


「僕も枕元にあった」


「サンタは存在するんだなって信じてたの」



それじゃあ、いつサンタがいないって気が付いたの?って訊いたら、


「ある年、お母さんの鞄の中にプレゼントが入ってるのに気づいちゃったの」


って真面目な顔して言うんだ。


なまえはそれまで本当に信じていたからびっくりしたんだけど、

ずっと疑っていたりもしたから、わかってホッとしたんだとも言ってた。


お母さんにそのことをすぐに報告したんだって。




「なまえのお母さんって、すごく優しい人だったんだね」


「うん。私が探すから、お母さんは納戸の奥とか天井裏に隠したって聞いて。母はすごいなって・・・・私も、子供にそう言う風にしてあげたいなって」



「僕も。うちの親も一生懸命、僕が眠った後におもちゃを置いてくれたんだ。子供だからわくわくしてなかなか寝ないから、熟睡したのを確認するのが大変だったって」


「うちの親も言ってた」




「でも、クリスマスの夜って、子供にとっては特別だよね」


「ただでおもちゃ貰える日だからね」



そういってテミンがいたずらっこみたいに笑うのを見て、なまえもつられるようにして笑った。




「さ、もう寝たかしら?」



そう言ってダイニングテーブルの席から立ちあがるなまえ。



僕は横の椅子の上に置いてあったラッピングされた大きなボックスを持ち上げる。




子供の頃って、ドキドキして、本当に朝起きたらプレゼントがあるのかそわそわしたよね。



少なくとも僕となまえはそうだった。


二人とも疑り深くて。素直にはサンタなんて信じられない子供だったけど。


それでもそれでもこうして育ててくれた父と母に、僕は今精一杯感謝する。




子供部屋の扉をそっとあけると、


ベッドから規則的な寝息が聞こえる。



毎日学校の帰りにダンスレッスンお疲れ。



僕はそう心の中で呟いて、枕元にそっとプレゼントを置いた。




なまえが早く部屋を出るように入り口で手招きする。





メリークリスマス。





世界中の子供たちが今年も、幸福なプレゼントを貰えますように。





サンタクロース




それはきっと、大人の魔法なんだと思った。




大人になったら受け継ぐ、
とくべつな魔法。




君が大人になるまで。




 

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