□ふたりで席に
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ジョンヒョン「なまえちゃ〜ん!」



食事をするお店で、待ち合わせのジョンヒョンは先に席に座って待っていた。
個室のように周りを囲われた部屋で、左側に座っていたジョンヒョンと、机を挟んで反対側に座る。


なまえ「なんか頼んだ?」


メニュー表を見ていたジョンヒョンに向かって、横にバッグを置きながら尋ねる。


向かいに座って、食べるために長い髪をゴムで束ねる。


メニュー表を彼から受け取って自分が頼む分を決める。







これが、わたしたちの、いたって普通の食事の仕方だ。








ある日。


オニュくんに「食事に行かない」と誘われる。



断る理由もないし「いいよ」と了承し、ふたりでお店に向かう。



通されたのは窓側の仕切りのある4人用のテーブルで。


オニュくんが窓側に座るようで奥に入って行ったので、私は手前の椅子の上にバッグを置いた。

するとオニュくんが、椅子を引こうとする私の方を見て、席に座らず中腰のままこちらをじっと見ている。


なまえ「え?」


私が気づいて顔をあげると、彼がそんな私を見て、自分の横のソファー席をぽんぽん、と叩く。



なまえ「え?」



オニュ「なまえこっち、」


なまえ「え?私がそっちなの?」


隣の席の荷物を持とうとすると制され、そのまま身だけオニュ君の隣に移動して、促される席に腰を落とす。

すると、オニュ君もストンと隣に座った。



なまえ「あ、オニュくん隣、なの?」



オニュ「え、ジョンヒョンとは隣に座んないの?」


なまえ「あ、私たちいつも向かい同士だから」


オニュ「そうなんだ」


オニュはなんか複雑そうに笑ってメニュー表を私に渡した。


なまえ「え、あ。私も取れるよ?」


オニュ「レディーファースト」


なまえ「あり、がと」



私もなんか複雑そうに笑って。


髪を束ねるのも、食事をする直前に声をかけてもらえるまで忘れちゃってたし・・・その日はなんだか・・・いつもとは違う夕食を味わった。






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