□ずっと、同じ気持ちだよ。
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車の中で泣きながら「会いたいよ」と言った私の隣に、
いきなり現れて、驚いた顔で固まる私の横で、ジョンヒョンは足を組んで腕組みをしたのを覚えてる。
何にも云わないのに。
「どこにもいかないよ」を、あなたは体と態度で示してくれた。
泣き顔でぐしゃぐしゃになった私を笑うわけでもなく。
あなたはただ、横に座っていてくれた。
それが嬉しくって。
・・・でもびっくりして。
だって本当に。
すぐに立っていなくなってしまうのだと思っていたから。
あなたが足を組んで、しばらくここに居ますって態度で示した時には、私はとても驚いてしまったんだ。
そんなあなたが、
また「会いたいよ」の呪文で私のところに来てくれたのは、
私がまた車で運転中の仕事の途中でした。
相変わらず助手席にちょこんと座るようにやってきたあなたに、
「ベストアルバムおめでとう」
と、言うと。
どや顔でも返ってくるのかと思っていたら。
前を向いて運転していた私の左の袖を、不意にクン、と引っ張るのです。
ハンドルを握ったまま腕を伸ばしている私の、たゆんだシャツの袖の下を、ぎゅっ、と掴んで放してくれないのです。
「どうしたの」と訊けず、私はびっくりして固まってしまいました。
ジョンヒョンがただ、駄々をこねる子供のように私の袖を引っ張るのです。掴んだまま。放してくれない。
それは何かを・・・・怖がっているようにも思えて。
私は、
「大丈夫だよ」
と、優しい声で言った。
ジョンヒョンはそれから楽しくなってきたのか、しばらくずっと裾を掴んでいました。
・・・・さびしいね。
きっと、たぶん。同じ気持ちだよ。
あなたがいない世界が。
あなたがこんなに近くにいても。
ずっと。同じ気持ちだよ。
(変わらずにあなたが好きっていう気持ち)
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