□今年のプレゼント
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去年の誕生日が終わったあとには、すぐに来年はどうしようって思うのに。
いざまた今年になると何も思いつかなくなる自分にがっかりする。
相手のことを思い過ぎると結局何が正解かわからなくなるジレンマ。
そして、今日。
なまえ「・・・・ジョンヒョン?」
会社から出て来て驚いた顔をする彼女を見て、俺は困った顔をして座ってた石段から立ちあがった。
ジョンヒョン「おつかれさま」
なまえ「え・・・?ど、?どうし‥たの?」
俺は苦笑いして彼女の前へ。
ジョンヒョン「・・・誕生日、おめでと」
そう言っても、何も持っていない俺は手持無沙汰な自分の両手を上に持ち上げた。
なまえ「・・・え?」
結局、俺は今年何も選べずにここに来てしまった。宝石やアクセサリー、花や流行の小物もあげてしまったし・・・。特段喜ぶものもコレクションしているようなものもなくて。
何をあげたら喜んでくれるのかお手上げ状態だった俺は今年、とうとう何も持たずにここに来てしまった。
なのに彼女は、思った通り、驚いた顔をして笑ってくれた。
だから俺は思った通り、って顔で笑った。
ジョンヒョン「絶対気づいてなかったでしょ」
なまえ「ジョンヒョンよく誕生日って覚えてたね?」
ジョンヒョン「当然でしょ。去年から数えてた待ってたよ」
なまえ「それは冗談でしょ」
いいながら嬉しそうに笑う彼女の顔を見て、俺は確信に変わる。
ジョンヒョン「帰ったらワッフル食べよ」
なまえ「なんでワッフル?」
ジョンヒョン「好きでしょ?」
彼女にとって、何が一番のプレゼントか。
俺には今日、それがはっきりとわかったよ。
なまえ「どうしたの?」
ジョンヒョン「なにが?」
なまえ「にこにこしてるから?」
そりゃあ勿論、君の好きなものが何かわかったからね。
【今年のプレゼント】
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