□幸福を絵にかいたような
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ココは宿舎。

カウンターの向うにキッチンが見えるダイニングで、座って朝食のトーストにバターを塗っていると、

寝ぼけ眼で頭をかきながらオニュヒョンがやってくる。



ジョンヒョン「おはよ。昨日、どっか出かけてたの?」


ヒョンは昨日、俺が帰ってきて、シャワーを浴びてる間にどっかに遊びに行ったみたいだ。

帰ってきたような物音を聞いたのが3時過ぎくらいだったので、そんなに遠出でもないんだろうけど…。

2時間くらいじゃ、映画かな?と何気ない気持ちで。



オニュ「ねー。最近僕1回で満足しちゃってるんだけど、平気かな?」


ヒョンからは突拍子もない答えが返ってきて、俺はトーストを口に咥えたまま固まった。




ヒョンはまだ夢の中、みたいなぽやんとした顔をしたまま、俺の向かいの席に腰かけた。




オニュ「3か月ぶりくらいに会ったの・・・なまえ・・・すごいいい匂いだった・・・髪も、伸びてた‥」


うっとりするような眸で、思い出すように1つ1つおっとりした口調で言うヒョン。



俺は構わずにパンをモシャモシャ咀嚼した。



ジョンヒョン「どうせすぐに会いたくなるから大丈夫だよ」


俺がそう言ってオレンジジュースを飲み干すと、ヒョンは驚いた顔をしてこっちを見た。



オニュ「え・・・なんで?」


ジョンヒョン「俺が思うに、ヒョンはすごい彼女のことを大事に抱くんだと思う。だから、1回とか・・・ヒョンが気にするほど彼女は気にしてないと思う」


オニュ「え、ジョンヒョンはなに・・・?俺がどうやって彼女抱くとか知ってんの?」

ジョンヒョン「知らないけど



けど・・・、と言葉をつなげようとしてナプキンで口を拭いて顔を上げれば、

ヒョンがまた、夢の中のようなうっとりした顔をしていたので言うのをやめた。



ジョンヒョン「ヒョンが元気になってくれて、よかった」


オニュ「ん?」


意識が戻ってきたように俺を見上げて首を傾げるジンギヒョン。


俺はごちそうさま、と言って食べ終わった食器を持って席を立った。



キッチンに入ってカウンターからダイニングを覗けば









ヒョンは、椅子に座ったままで窓から差し込むキラキラした日の光を浴びてた。

温かそうな湯気の立つ紅茶を手に持って、まるでまだ夢を見ているように‥

昨夜のことを思い出してるのか、頬を緩ませていた。




それはまるで





【幸福を絵にかいたような】




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