□大人になるっていうことは
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【大人になるっていうことは】
"大人"になる、ってこと。
難しいように聞こえるけど、実際のところどういうことなんだろう。
年下の俺にはまったくわからない。
"ヌナ"の考えてること。
ジョンヒョン「ねーなまえちゃん、大人になるってどういうこと?」
ソファーに腰かけてた俺は、雑誌から目をはなし、背もたれの方に振り向いてキッチンの前のダイニングテーブルでノートパソコンと睨めっこしているなまえちゃんに問いかけてみた。
なまえ「大人になるっていうことはねー」
ジョンヒョン「うんうん」
なまえちゃんは大きく伸びをしてその腕を組んで、それからうーんと唸ってからこちらを見た。
なまえ「嫌いにならない。飽きない。気持ちがぶれない…って、ことじゃないかな」
ジョンヒョン「それって、どーいうこと?」
なまえ「大人になると、簡単に嫌いにならないんだよ。ひとつのことをし続けても飽きないっていうか・・・気持ちがかわらない…つまりぶれない、ってこと」
ジョンヒョン「ふーん」
俺は相槌をうつ調子でそう返事を返し、それでもまだこっちを見ているなまえちゃんを見つめて、
もう一言付け足した。
ジョンヒョン「なまえちゃんは"大人だから"別れた前の彼氏のこと、まだ好きなんだね」
そう言うと、少しだけ彼女の表情が険しくなったのがわかった。
なまえ「・・・・・すきだよ。気持ちは変わらないもの」
そう言ってじっと俺を見つめてくる。
別に俺を見ても浮気した彼氏は戻ってこないのに。
なまえちゃんの言葉と視線は、痛いほど俺の胸に刺さる。
射抜くように俺を見つめるなまえちゃんは、
やがて視線を外してパソコンの画面を見つめた。
そしてまた何事もなかったかのように、止めていた手を仕事に戻していった。
ジョンヒョン「俺、ずっとなまえちゃんのこと好きだよ」
カタカタとキーボードを押していく彼女にそう言うと、なまえちゃんはそうだね、って言って。笑ってるけど全然俺の方は見ていなくて。結局は俺のことを子供だって、言いたいみたいだった。
ジョンヒョン「俺の気持ちが変わらなかったら、"大人"だって認めてくれるの?」
なまえ「そうだね」
ジョンヒョン「でも、どうすんの?俺がこのまま大人になっちゃったら、なまえちゃんを好きなまんまだよ?」
なまえちゃんは、カタリ、と動かしていた手を止める。
ジョンヒョン「・・・責任、取ってくれんの?」
今度は俺が、射抜くように彼女を見つめた。
【大人になるっていうことは】
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