□女ったらし
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※テミンくんの話です。








なんでなのかはよくわかんないんだけど。






僕の周りには女の子が多いです。
















【女ったらし】















テミン「・・・え?それ、ヒョンのことでしょ?」



って言ったら、ヌナはフルフルと首を横に振った。





テミン「・・・・え、でも、僕、なまえヌナとコーヒー飲みに行ったくらいしかないよ?僕そんくらいしかデートの経験ないよ、って言ったら、ぜってーあいつもおなじくらいの経験値しかないくせにカイに鼻で笑われてすげー腹立ったもん、僕。そんな僕が、"女ったらし"なわけないじゃん?」



何言っちゃってんの?アはん?って顔してヌナを見下ろしたら、


ヌナは険しい顔をしている。してらっしゃる。


そして、僕に言うんだ。




なまえ「・・・・テミンは・・・・ちょっと、残念な子・・・だよね?」


テミン「あん?」



思わずカチンときたので地声が出た。



なまえ「さっき・・・・おねいさんたちが、なんて言ってたか、覚えてる?」



オネイサンタチ・・・?



はて・・・なんだったっけな?



あれかな。食堂でマイケルジャクソン聞いてた時に前と横に座ってたオネイサンのことかな・・?



テミン「覚えてるよ?」



たしか、あの時は・・・・「テミンくん聞いてるっ?!」って言って、片方のオネイサンが僕のイヤホンを取り上げたんだ。



なまえ「なんて言ってたか言ってみて!」



なんだよヌナ・・・今日はやけに強気だなぁ・・。


そんなに強気になると僕だって押しちゃうぞ?泣くから・・しないけど。



えっと・・なんだっけ?


ああ、そうそう。



テミン「僕のリュックの中身見せてって言ってきたんだよ。あと、お土産を買ってきてとか。どっかに持ってきて・・・って、言ってたかな?僕、お土産買う時間はないから無理です、って断ったんだ」


偉いでしょ?、という顔でヌナを見ると、

ヌナは少し落胆したような顔だった。



なまえ「てみなぁ〜〜!!ぜんぜんっちがうよ!!」


テミン「へ、??」



ヌナは身を乗り出すように僕に迫ってきた。



なまえ「オネイサンたちは!!テミンにアドレスリュックに入れとくねって言ったんだよお!持ってじゃなくて、待ってるからって言ったの!お土産はテミンのを買って来てあるの!!取りに来てって意味だったの!!」


テミン「わぁお、誘われてたの?僕?」


なまえ「そおだよお!」



なまえが地団太踏むみたいにして僕に詰め寄る。



テミン「こわいよ、ヌナ、」


なまえ「テミンくんは魔性だよ!!魔性!!惹きつけてるのにぜんぜんっ気付かない!!」


テミン「気付かないんだからしょうがないじゃん?僕悪くないじゃん?」



なまえは何かもう意見が通らなくて悔しくて泣いちゃいそうな人、みたいな顔になってる。


なまえ「もうっ!どおしてテミンくんはそう人の話を聴けないのっ?!損してるよテミンくん!!」


別に、損はしてないよ。だって。




テミン「僕、なまえの話はちゃんと聴いてるから、いいんだよ」




すると僕の目の前のなまえは、眸を大きくひらいてぽかんとした表情。





テミン「僕、なまえと一緒にいるのに耳にイヤホンつっこんで話きいたりしてないでしょ?」


そう言うとなまえは、さらに瞬きして目をきょとんとさせた。




なまえ「・・・・・え?へ、テミナ・・なに、言っちゃってんの?」



あからさまに動揺しちゃってるヌナは、声が裏返りそうだ。




テミン「なまえこそ何言っちゃってんの?別にどうでもいいと思ってるし、聴きたくないから音楽聴いてんだよ?勝手に集まってくるのはいいけど、それって僕別に関係ないよね?僕が侍らさせてるわけじゃないから」


なまえ「いやいやいや!!」


テミン「それに――、」



僕がスッ、と腕を伸ばしてなまえの頭に手を乗せると、

なまえはビクン、と躯を揺らした。


かわいい。いじめてそのまま食べちゃいたいくらい・・・。



テミン「ヌナが居てくれるだけで僕は満足だから」



なまえ「やっぱり女ったらしよ!だだだ誰にでもそんなこと言ってるんでしょ!」


テミン「いや、だから。ひとの話聞いてないのに他の人に言えるわけないでしょ?」


なまえ「テミンくんは魔性だからぁっ!!」




魔性魔性うるせぇな・・・そんなに、言うのに・・・




テミン「でも、なまえヌナにはかかんないんだね。なんで?なまえヌナには聖水でもかかってんの?」



笑って言うと、なまえヌナはペチン、と僕の胸をはたいた。


小さい手。綺麗な指。僕より華奢な腕。


このまま掴み上げて食っちまうぞ。




テミン「それとも、・・・ヌナは、もう僕の虜になってんの?」




いたずらに笑うと、ヌナが目を真っ赤にして瞳を潤ませた。






・・・かわいいな



他人なんかまるで目に入ってない。入るわけない。


ヌナしか、見えてないの。僕は。




テミン「僕が女ったらしなわけないじゃん?人を誑かしてんのはそっちでしょ?」



なまえ「なぁっ・・っ?!」



テミン「僕のこと弄んだ責任、とってよね!」



そう言ったら、顔を真っ赤にさせてるくせに困った顔をして頬っぺたを膨らませてるヌナが可愛くて・・・。




僕は、そんな君に夢中。

君しか、見てないよ。


きみしか、みえない。






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