□それはなんのことなの?
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オニュは慌てて車のキーを手に取ると、深夜の宿舎を飛び出した。


髪も振り乱すようにがむしゃらに走って。

とにかく、一生懸命だった。


きみをまた泣かせてるんじゃないか・・・



困惑させてるんじゃないか・・・・


誤解を解きたくて・・



一刻も早く・・・と、願い、祈り、


車のキーを回しエンジンをかける。




とにかく、大慌てだった。



2月に僕が仕事を休んだ時も、僕のかわりにわんわん泣いてくれた君だ。



きっと今回も、いらんことを心配して、



君はまた自分を責めてしまうかもしれない。



そう思う前に・・・・



早く・・・




はやく・・・!







"ピンポーン!"






しーん・・・




まさか・・・?、!?





オニュ「なまえっ?!なまえ!!あけて!僕だよっ!ジンッ!



"ガチャッ"」




なまえ「家の前で本名はやめて!」




オニュ「よかった!!」



僕は無事ななまえの姿を確認できると、安堵したように肩を撫でおろし、なまえの肩をガシ、と掴んで、走ってきた息を整えた。




オニュ「いい?よく聴いて?僕がいじめに遭ってるっていうのも、僕がソロになりたいっていう話も、まったくのデマ!だからね?・・・なまえがまた僕とは関係ない・・全然知らない人のことまで悩みだしちゃってるんじゃないかって僕気が気じゃなくて・・・でも、僕はホント・・メンバーとも何ともないし、僕は・・・僕はなまえがいなかったらほんと・・・・って・・・え、あれ?」




一息入れるように君を見下ろせば、君は部屋着姿のまま、眠そうな虚ろな目でとろん、と僕を見上げていた。








なまえ「それは・・・なんのことなの?」





眠くて閉じそうになる目を擦りながら、虚ろな頭をこっくりさせるなまえに、

僕は我に返るくらいびっくりして。それからやさしく彼女の髪を撫でた。





オニュ「ごめん。全然関係ない話だったみたい」



なまえ「そうなの?・・も、遅いから泊まっていきなよ?」



なまえは髪を撫でる僕の指を、くすぐったそうに首をすくめた。


オニュ「ほんとだね。そうしようかな」



なまえ「ねぇ、ジンギ、本当に何しに来たの?」



スリッパを置きながら、君が振り向く。


はは‥‥ほんと。なにしにきたんだったっけな。


一人で慌てた自分がばかみたいだ。



ほんとうに・・・





ただ・・・


ほんとうに。




オニュ「なまえに会いたくて仕方がなかったんだよ」





そう言うと君は眠たそうな目を細めて笑って。




なまえ「だいすきだよ」




って。

僕はそれだけで、泣きそうになったよ。






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