□宵
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それはもう明け方の5時近かった。
俺はその日寝たのが2時頃で、その時間は深い眠りだった。起きるのは8時くらいを予測していたのに・・・・、だ。
"ピンポ〜〜ン"
"ドンドンドンッ!"
「じょんひょなぁ〜〜〜ん〜〜さむい〜〜あけてぇ〜〜」
早朝だって言うのにけたたましいくらいの物音に、俺はベッドから飛び起きて玄関のドアを開けた。
ジョンヒョン「なまえちゃんっ、ッ?!??ど、どうしたのっ!」
玄関先にちょこんと立って居たのは、彼女のなまえちゃんだった。
この1年以上、付き合ってからまだ一度も家にあげたことはないなまえちゃん。
ジョンヒョン「え、えっ・・え、ちょ、・・っ、ちょと待って・・っ」
俺は慌てて下駄箱にそこいらじゅうに散らばってる靴を放り込み、スペースをあけて彼女を部屋の中に案内する。
散らばったゴミを足で蹴散らし、ヨロヨロとなまえちゃんが家の中に上がれるスペースを作りながら自分の部屋へと案内する。
ジョンヒョン「え、えっ・・ちょ、どうしたの、マジで・・」
散乱した部屋の扉をあける間に立ち止まり、もう一度彼女に振り向く。
なまえ「・・・・ン?」
彼女はトロン、とした目で、ぼんやり焦点のあわなそうな瞳のまま俺を見上げて首をかしげた。
どう見ても酒臭いし、どう見ても・・・・・・、100%酔ってる。
ジョンヒョン「え、なまえちゃん・・・俺の家なんて・・・いきなり、来たことなかった、じゃん?」
なまえ「うん。でも、ジョンヒョンち一番近かったし、なまえ・・・おうちまで帰れないんだもん・・」
ジョンヒョン「だもん・・って、え・・なんで、?」
なまえ「もうね・・・ねんねしたくなっちゃったの、」
ジョンヒョン「・・・・・・・・・
あ、うん・・・そうかぁ・・・・そうだね・・じゃあ、一緒に、寝よう・・」
それからの俺はもう考えることをやめた。俺は冷たく凍えそうな体のなまえちゃんの肩を抱き寄せて、自分のベッドに連れて行った。
いいのかな、と思いつつも、瞼をもう閉じてしまっている彼女の体に寄り添い、冷たい肌を温めるように身を寄せた。
ジョンヒョン「(何も・・急に来なくてもいいのに・・・)」
そう思ったりもしたけど、何も言わずに、俺は閉じられた彼女の睫毛を眺めながら、優しく髪をなでた。
外気に晒されてた冷たいなまえちゃんの肌で、今の今までぬくぬくだった俺の体は一気に冷えたけど、そんなことはいいんだ。
この、俺の、部屋で、なぜか彼女が俺のベッドで、一緒に眠ってることなんて奇跡みたいじゃないか。
ただ・・・それだけが、純粋に嬉しかった。
いったい俺の知らないところで何杯どこで誰と飲んできたのか・・・そんなことはまた明日聞けばいい。っていうかもう、朝だけど。
ジョンヒョン「おやすみ、なまえちゃん・・」
今年も俺のこころはドキドキきみの虜です。
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