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□かごめかごめ
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かごめ かごめ

籠の中の鳥は

いついつ出やる


夜明けの晩に

鶴と亀が滑った

後ろの正面だぁれ









かごめかごめ    昭×扇之助










ねぇ先生、


この目隠しを外してよ


この手錠を外してよ


この足枷を外してよ


ねぇ、


俺をここから出してよ。



真っ暗な世界に閉じ込められてから、一体どれくらい経ったのか。

目隠しをされた俺には知る由もない。


眠るときと

食事をするとき

トイレに行くときにだけ

先生が俺の体を抱き上げる。


それ以外は冷たい床の上だ。




あぁ


あとひとつ



あのひとが俺を抱くとき




「っあっ、はっ…せ、んせっ…」


「俺が扇之助を抱くときは、どうしなくちゃいけないか教えただろう?」


「ふっ、ぁう…ゃっ、あきっ…あきっ…」


「…いい子だ」


手錠がベッドの金属部分に当たって、ガチャガチャと音を立てる。


犬みたいに四つんばいになって、先生を受け入れる。

こんな仕打ちをどんなに受けても、俺はこの人から逃れたいと思わない。



いつも


目隠しの中で、昔の先生を思い出すからだ。


あの人は、俺に手を差し伸べて優しく微笑む。



「っ…あきっ、だい、すきっ…あっ、んっ…」




だいすき



そういうと、あの人はいつも俺をぎゅっと抱きしめてくれた。


『愛してる』


そういってあの人は、俺にキスをしてくれた。



今、俺を抱くこの人は


この言葉を聴いたときだけ


俺の背中にキスをする。


そっと、静かに。


まるで俺の存在を確かめるみたいに。


そして






「俺は大嫌いだ」





って、

あの偽りの唇で俺に囁くんだ。






かごめ かごめ


籠の中の鳥は


いついつ出やる


夜明けぬ部屋で


小鳥が泣いた


後ろの正面






だぁれ…?
 

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