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□アネモネの花束-アナザー-
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路地裏の汚い壁に強く押さえ付けられる。
そのまま服の中に手が入ってきてから気付いた。
様子がおかしい。


「可愛いね…肌も凄く綺麗だ…乳首もピンクだね…可愛く立ってるよ…下はどうかな……あぁ…あぁ…」


俺の体を撫で回しながらぶつぶつ何かしきりに呟いている。
この手の気持ち悪いオヤジも沢山相手してきたけれど、こいつは輪を掛けておかしい。
目が完全にイっちゃってる。
薬か?なら困る。フェラや中出しで余計なものまでもらいたくはない。


「はっ…ぁ…」


適当に嬌声を上げながら一応注射痕がないか男の腕をそっと掴んだ。
そのまま袖を少しずつ捲り上げようとした瞬間、


「止めろ!!!」


凄い勢いで俺の手を振り払った。
目が血走っている。
あーぁ、決まり。


「何?どうしたの?」


上目使いに下から視線を送ればしどろもどろに奴は「あ」だの「う」だの意味のない単語を口走り出した。
チャンス。密着していた体に隙間が出来た。
俺は思いっきり男の腹に拳を打ち込んだ。


「―――っ?!」


そこは少なくとも多少は柔らかみのある肌があると思っていたのに。
俺の拳に、鈍い痛み。


「っ……な、に…!?」
「それはこちらのセリフだ」


手首を掴まれ捻り上げられる。
さらなる痛みに声が漏れた。
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