09/26の日記
17:21
真田主従とワカメの娘 <現BASA+Ib/ほぬぼぬ
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日曜のまっ昼間、真田主従は駅付近の大型デパートに来ていた。お目当ては破滅的にセンスの無い幸村の洋服である。
「ピンクに青合わせようとする旦那の神経って逆にわかんないよ」
「今日は助かった
ありがとう、佐助」
さらりと自分のセンスの無さを無視する幸村に苦笑する。衣類店を通過する度にあれはどうだこれはどうだあこれ自分が買うなど、佐助自身も楽しんでいるようだ。
「旦那って本当に赤色あうよなぁ」
「そうなのか?」
「うん、赤って目立ちやすいから似合う人少ないし」
選び甲斐があるというものだ。
「やっぱ遠出してよかったわ
地元と大違いだよ」
「む、お館様と道場の門下生達が統治する地を悪いと言うのか?」
「そうじゃなくてね?」
お館様こと信玄公のことになると幸村はいつもこうだ。若干顔をひきつらせる佐助だが、ふと後ろに感じた重みに「ん?」と眉を上げた。
「どうしたさす…ぉ?」
「いや、後ろ誰かがひっぱ…え?」
「………」
後ろを振り向くとそこには、小さな可愛い女の子がおりました……。
(服の裾を握って可愛いさ割増)
「…誰?」
「お主の知り合いではないのか?」
「いやいや、こんな小さい知り合いいないよ?」
「……」
黙りっぱなしの少女は佐助が向かい合うように体の向きを変えると共に服の裾を離した。顔を見れるようしゃがむと少女は佐助の瞳を見詰め返す。
「どこの子?」
「……」
「迷子?」
「………」
こくり
少女は小さく頷いた。迷子とわかればやることは1つだ。
「迷子センターどの辺だっけ?」
「エレベーター近くにあったと思うぞ」
「んじゃ行こっか」
自然な動作で少女と手を繋ぎ、歩き出そうとした…のだが。少女はその場から動かない。
「どうしたの?」
「お前が恐いんじゃないのか?
ピアスなどあけおって」
「それ旦那が恐くてあけらんないから皮肉言ってるだけっしょ」
まぁでも考えられなくもない。幸村は今時の高校生のようなスタイルだが、佐助の見た目は良いお兄さんには見えない。
試しに少女に聞いてみたが、そうではないらしく首を横に振った。
ならば何だと聞いてみると…
「ギャリーに迷惑かけたくないの…」
「は?!」
「ぬ?」
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