銀魂

□鮮血マミレシ友 護リ事誓イヲ立テヨ
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そこは黒一色だった…いや、もう1つ色がある…?あの色、見たことがある…あの
色は…あぁ…嫌な夢が蘇ってしまう
それは赤…赤い…血
真ッ赤ナ殺戮ノ色!!!
「あぁあああぁぁあああぁぁぁ!!!!!!」
その叫び声で最初に飛び起きたのは新八だった
「なななな何?!何事ッ?!」
発信源は未だに新八の横で呻き声を洩らしている
「ぎっ…銀さん?!銀さん大丈夫ですか?!銀さん!」
「ぅあ……うっ…………ゃ…だぁ……!」
「銀さん?!銀さん!!聞こえますかっ?!」
毎日をちゃらんぽらんに過ごしてはいるが、さっきの奇声は尋常ではないと判断
し揺り動かそうとしたら…
「うわぁぁぁぁぁぁ死ねぇぇぇッ!!」
突き飛ばされた
その挙げ句、またがられ首まで絞められる始末
「う………くっ、銀さ…ん」
「ぉ前なんか…ぉ前ラなんか死んジまぇ!!」
「銀さッ…僕で…す
志村……新…ぱ…ちぃあッ…」
更に締め付けられる首
寝ぼけているのか、銀時の目には新八はちゃんと映ってはおらず
そのかわり何か恐ろしいものを見ているかのような
それを殺す目をしていた
意識が遠のいていくなか新八はそれだけを見ていた
どうも人間とはおかしなことに死に際にどうでもいいことばかりを考えるようだ
すーっと襖の開く音と共に
現場に神楽が目を擦りながら入ってくる
「何事アルか
私の眠りを妨げるなんて失礼にも程があ――新八ィィ?!!銀ちゃん何やってるネ!!

神楽が寸でのところで銀時を止めに入る
「銀ちゃん!落ち着くヨロシ!何があったネ?!新八が何かしたアルか?!」
「僕は…ゲホッ 何もしてないよ…
いきなり暴れだしたんだ」
「あぁぁぁああぁああああぁ!!!触ルなぁぁァぁあぁッ」
銀時の目にはなかなか新八と神楽の姿は映らない
「やめろォォッ俺に近づくな!!消ぇろォォォおぉぉオ!!!」
「銀ちゃん私アル!神楽アルよ
目ぇ覚ますネ!」
「銀さん安心してください!!ここは万事屋です!」
「ぁぁあ…あぁ…ぁ……よ…ろず、や?」
「そうです、銀さんに危害を加える人なんていませんよ」
徐々に変わっていく顔
やっと正気を取り戻したようだ
「新八…神楽……」
「銀ちゃん大丈夫アルか?」
神楽はポンポンと銀髪の頭を撫でる
「今…俺何してた?」

「へっ?!覚えてないんですか」
「全く綺麗さっぱり
つーか寝てたんじゃねぇの?俺」
「いや…あれだけ派手に暴れといてそれはないでしょ…」
「暴れといてって何だよ、俺ぁ寝相はいいほうだぞ?」
「………本当に何も覚えてないアルか?」
「? さっきからどうしたんだよ…俺、お前らに何かしたのか?」
銀時の顔はどう見ても嘘をついているようには見えない
新八と神楽は目を大きくして顔を見合わせる
「………まぁ覚えてないならいいですよ、朝ご飯作りますね」
「私定春の散歩行ってくるアル」
「あぁ
………さあって、結野アナでもみるかなっ!!」
あれから銀時が暴れることはなかった
だが、理由は謎のままとなった

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