銀魂

□公園決闘
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今日も公園で沖田と神楽は決闘じみたことをする
神楽が勝ったら酢昆布を奢って貰えることに、沖田が勝ったら土方暗殺を手伝うことになっている





「しけたツラしてどうしたんでぃ?
お前らしくないなぁチャイナ、これじゃぁ相手する気も失せるぜ」
「黙れヨ、サドのくせして生意気アル」
沖田が兄の神威とかぶったなどと…口が割けても言えない
何でかぶったのか、あの笑っているようで冷たい目のソレが同じだったのだ
自分を捨てたあの冷酷な兄、神威と同じような冷たくて心底戦うのを楽しんでいる目
確かに神楽も同じ夜兎であり戦うのは本能的に楽しかった
だけど兄のソレは比でない
「チャイナ?」
「ッ……な、何アルか」
「お前帰れ」
「はぁ?何言ってるネ
まだ30分もたってないアル、目指せ酢昆布アルよ!」
本当は勝って酢昆布を手に入れることなんてどうでもいい、ただ沖田と一緒にいたいだけだ
あぁどうしてこうも自分は素直になれないんだろう、と思うもそんなことを言ってしまえば確実に沖田は自分から離れてしまうだろう
向こうはただの遊び相手としか見ていないはずなのだから…
だから今日も同じく喧嘩を売る
「それとも私に怖じ気付いたア―――」
「ばぁか、そんなわけないだろぃ
本気じゃねぇテメーと戦っても面白くも何ともねぇや」
「お前こそ馬鹿アルか
私はいつでも本気アル、さぁかかってくるヨロシ」
クイクイと手を動かして沖田を挑発する、が、直ぐ様引っ掛かってくると思われた沖田は逆に嫌悪に顔を歪ませた
「俺は心配して言ってんでぃ、大人しく家に帰れ」
「な゛……お前に心配されるほど私柔じゃないアル!!そ、それにサドの分際で私に命令するなヨ!」
「はぁ……俺の部屋、来るかぃ?」
「……仕方ないから行ってやるアル」
素直じゃねぇの、とボソリと沖田の口から出た言葉はギリギリ神楽には聞こえない
時々こうして屯所の沖田の部屋でのんびり過ごすこともある
勿論、そんな行動を起こす沖田に気は『アリ』だ
神楽は鈍感なのかそれとも照れているのか中々甘い関係にはなれないでいる
沖田はそれに焦れったさを感じていた…
"向こうが動かねぇんなら俺が動いてやらぁ"
ということで始めて自室へ連れてきたのがつい二週間前、だが、それどまりである
しかも今日は何かを抱え込んだまま何も話さないときた
これには神楽を好いている沖田も苛々やら哀しさやら…ともかくいろいろいだいた
「チャイナぁ」
「…何アルか」
「悩みでもあるんなら相談にのってやってもいいぜ?」
「悩みなんてないアル
つかあっても誰がお前に聞かせてやるかヨ」
「俯いて魚が死んだような目してよく言うなぁ」
「銀ちゃんと一緒にすんなヨ……」
神楽はまた俯くとため息を何回か
「ため息すると幸せが逃げるぜー」と言っても迷走に入ってしまったのか聞こえていない
この人二人分くらいの距離がもどかしい
頭でも撫でてやれば元気を出してくれるのだろうか、そう沖田が考えていると
「お前と神威は違うアル」
「は?」
「そうネ!あんな馬鹿兄貴とコイツ一緒にしちゃいけないアルネ!!」
「兄貴…?俺がお前の兄貴と?」
一人で問題解決をしていた神楽は現実に戻ると共に聞かれたことに顔を赤くした
「ななななんでもないアル!
そ、だ私もう帰…」
「俺がお前のその馬鹿兄貴と似てるってことかぃ?」
「今違うって言ったヨ!」
「へー似てるんだ」
「ッ……!!!」
「俺がチャイナの兄貴にねぃ…でもそれが何…ッ?!おいッ!!」
サディストと言えど流石にぽろぽろと涙を流す神楽にはビビッた
「グズッ……ヒクッ…」
「お、おい……?」
「ズズッ……嫌アル、か…」
「は?」
「兄貴とお前重ねて…ッ怖がってる私は嫌アルか……」

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