銀魂

□あれ?あれ??あるぇぇっ?
1ページ/5ページ


今日一日ろくなことがなかった
沖田には市中見回りを押し付けられるわ
近藤は志村邸でいつものごとく伸されてるわ
こういった時に山崎はいなくて誰にも当たれねぇわ……

土方は夜道を歩きながらはぁー…、と長いため息をついた
上記三種はよくありそう…というか毎度のことだ、そんなストレスを土方は山崎をぶん殴る他、ニコチン摂取で解消していた
所謂キングスモーカーなわけであるがこれで死んだならば間違いなく真選組一同の性だ
ストレスがなけりゃ吸……

"…わねぇって言い切れるもんでもねぇか"

一人心の内で煙草に折れる鬼の副長土方十四郎20代

"にしても
近藤さん引っ張って総悟のやつ探しだしてぶん殴ってたら一日が終わってるって俺の生活どうなってんだよ?"

気付けば夕方だった
屯所に帰れば大量の書類とにらめっこを繰り広げ、終わる頃にはもう夜中の12時を回っている

"しかも煙草ギレ
10カートンくらい買っとけっつったろッ!!
山崎のヤロー帰ってきたら締め上げてやる"

因みに山崎は10カートンきちんと買ってきた、悪いのは吸う速度が致死量ギリギリの土方だということを画面の向こうの皆様にはわかっていただきたい

「タバコタバコ…
っくそねぇじゃねぇか!」

最寄りの自販機は数日前の攘夷志士とのいざこざで半壊していて使えない
フラフラと大通りをあるけども見つからない…このご時世、喫煙者には随分と厳しくなったものだと土方は一人ごちた

"どーすっか…煙草ねぇと落ち着いて仕事もできやしねぇ"

立ち止まって貧乏揺すりをし始めた頃、隣の裏路地から声が聞こえてきた
なにやらもめているようだ

「だからぁ〜私ヒゲオヤジには興味ないんでぇ〜?お引き取り願えませんかぁ〜みたいなぁ」

「少しくらいいいじゃねぇか
減るもんでもねぇだろ?」

「5万出すっつってんだろ一発くらいヤらせろよ」

「私10万以上じゃないと受けないって決めてるんでぇ〜」

聞くにただの売春らしい、だが年齢によっては逮捕することになる
土方は音を潜め路地を覗いた
月明かりに照らされて見えたのは二人の男、そしてうしろの壁にもたれ掛かって男たちと話をする白地にピンクと赤の花柄が散らばった着物を着た女
20代あたりだろうか…?

"5万10万も何も
強姦一歩手前じゃねぇか
ありゃ攘夷志士か?"

腰の刀を見るに間違いないだろう
とりあえず二人の逮捕は確定した
はて、どうしたものか…このまま突っ込めば女の身が危ない
だからといってこのまま女から離れるのを待つわけにもいかない
何より今の土方は

"俺…着流しなんだけど……"

武装なんて刀を一本下げているだけだった
真選組の隊服も同じようなもんだって?あれは一応刃の通りにくい布でできている

"まずいか?
いや、あいつらの攻撃なんて受けねぇだろうが……"

そうこうしているうちに男が一歩、女との間合いを詰めた

「ッ…ちょっとエロオヤジやめてぇ〜、夜道でレイプ紛いってどんだけぇ〜??
ふーるーいーッ」

「おぃおぃ
あんまり調子にノってんなよ?最初から素直に金で抱かれりゃいいものを」

「姉ちゃん少ぉし血ぃ見てぇみてぇだなぁ…?」

なんかヤバイ空気…?
否、"なんか"じゃない"普通"にヤヴァイ

"頃合いか…"

瞳孔を開いた男が物陰にて、動く

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ