戦国BASARA

□原料
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ある時期、戦が一斉に偶然にも全国一旦休戦となった時期があった
そして奥州の米沢城にて、ライバル同士の政宗と幸村はそれぞれ暇を持て余していた
縁側でチチ…と鳴く鳥を見ながらゆっくりと流れる時間に身を任せ茶を啜る
正に『The 和』の世界
「こう戦がありませぬと体が鈍りまするな、政宗殿はどうお思いで?」
「Ahー、まず城に遊びに来ても良いとは言ったが来たことに驚いている」
「暇で死に絶えそうでした」
「そうか、俺も小十郎に暴れんの止められててなぁ…まぁいいんじゃねぇか?平和に越したことはない」
「政宗殿は民思いでござるなぁ」
ははは、なんて笑うも直ぐにはぁーと漏れるため息
この二人には暴れるのが性に合うわけであり、世は平和に限るが調子が狂いに狂う
「俺様も頭可笑しくなりそー……」
一番へたばっているのは忍たる佐助だったりする
障子の開け放たれた一室にて忍ぶでもなく横倒れになって死体ごっこ状態
幸村に鍛練を禁止させたその日に幸村に"命令"という名目の名の下に物騒なことをするなと言われてしまい今に至る
壁に凭れるは小十郎、此方も理由は同じく
「あ、そうだ幸村ちょっと待ってろ」
政宗は何を思い出したのか、縁側から立ち上がり廊下の向こうへと消える
「?」
「政宗様一体何を?」
「竜の旦那?」
三人が疑問を持つなか、帰ってきた政宗が手に持っていたのは茶色い固体ののった皿
「政宗殿、何ですかそれは?」
「chocolate」
「そういえば、そのようなものを作っておりましたな……」
「チョコレートって何よ?」
「甘い南蛮の菓子だ、南蛮にはホワイトデーって行事があるらしい
ホワイトデーには知人にchocolateを渡すんだとよ」
「それが今日で?」
「Yas!流石俺のライバルだぜ!!」
「何々?それ俺達にくれるわけ?」
「あぁ、ただ甘さの基準がわかんねぇから少し危なi…」
「ありがたくいただきまする!!某、菓子は好物故!!」
「では、私も遠慮なく…」
「いただきまーす」
政宗の言葉を最後まで聞かずにひょいと皿のチョコレートをつまんで口に放り込む三人
甘いというより…素材本来の味が活かされ過ぎていたと言うか、
小十郎と佐助、保護者チームはともかくとして
幸村は「う゛っ」と呻いて口を手で被い床に突っ伏した
「にがっ…竜の旦那ーこれ苦いよ」
「What?!そんな筈は…あ、ほんとだ」
「あの"かかお"という実、相当苦いもののようですな」
「次はもっと砂糖いれるか…」





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