戦国BASARA
□クリスマスにバイトっておま…
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「Ah...」 「あ…」
二人の最初の出会いは、あんなにもエキサイティングな戦場で互いの刀を槍を構えていたのに
今の二人はちっぽけなコンビニで同じバイト仲間として携帯をエナメルバッグを片手に対面していた。
「幸村…だよな?」
「そちらこそ…政宗、殿…で?」
「あれ、何
二人共知り合いだったの?」
コンビニの店長の割り込みに対して二人は軽く相づちをうつ。
「二人共運命のようにシフト合わなかったからねぇ」
「え、
幸村っていつからここに…」
「確か一年前くらいかなぁ?そうだっけ真田さん?」
「はい、まぁ…
政宗殿こそいつからここに?」
「あんたと同じ一年前くらいだ」
「…全く気付きませなんだ」
面白いくらいに気付かなかった互いの気配、いや、気付かない振りをしていたのかもしれない。
『この現実に生きている貴方ではないアナタを』
直視出来ずに逃げ惑って、今日にこうしてシフトが重ならなければこれから先も会うことは無かったのだろう。
「にしても二人共彼女いないの〜?クリスマスだってのに悲しいねぇ」
「いや、いねぇってわけじゃなかったんだ」
「え?」
「………」
遠くを見続ける政宗に幸村は暫く視線を向けて、ふいと反らすと一言告げた。
「政宗殿、遅刻致しまするぞ」
「Ah、そうだな」