銀魂BASARA

□くりすますぱーちぃ
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突然であるがここは広めのカラオケボックス。江戸にだってカラオケという文化はある、時代背景を嘗めないでほしい。だがカラオケボックスにて適当に座るもキョロキョロそわそわと落ち着きのない人間が約数名……無理もない、彼らはカラオケなど初めてだ、寧ろ『カラオケ』の存在自体を知らない。
そんな青やら赤やらの戦国武将さん(約数名)がトリップの名の下に初のカラオケ入りである。
集まったのは万事屋、真選組、なんやかんやで飛ばされてきた蒼紅主従と関ヶ原コンビ。なにかしら事件が起きるのは避けられないであろうことがメンバーからして伺える。
本当は瀬戸内ダブル元とヅrッ…桂とエリザベスも来る筈だったのだが時間になっても一向に来る気配がない。
仕方無しに銀時は立ち上がった。

「何かもう来なさそうだし…大体集まったしやっか
『やって来ましたクリスマスリア充爆発しろ』会〜」

「いやアンタなんスかリア充爆発しろって」

銀時の一言に抜かり無く突っ込みを入れる新八。この情景に当初は顔を苦くしていた保護者片倉も今では難なくスルーできるまでに感覚が麻痺している。

「だってお前、ここ来る途中に見たろ?そっこら中で人目も気にせずにチュッチュt」

破廉恥でごzモガッ…」

「旦那落ち着いてください
話続けていいよ」

「あ…あぁ
とりあえず、だ
俺達でそいつらを抹殺s」

「色々っつかあらゆる点において違ぇよ」

今日に関しては個室で子供もいると言うことで煙草を封印している土方が真面目に進めろとばかりに足を組みながら睨みを効かす。対して銀時は三割増の瞳孔に「おー怖い怖い」と欠片も怖がっていなさそうな態度を返した。

んだやんのかコラ

あんだコラやるか?やんのかあ゛ん?

「なんでもいいからさっさと始めやがれ」

「「…………」」

パリパリと音の鳴る方をギギギ…と二人して向けば極殺一歩手前の小十郎。
大人しくなった銀時に代わり新八が仕切りに立ち上がる。

「これって確か伊達さんがカラオケ行きたいだとかで始まったんですよね?」

「Ah まぁ間違ってはねぇな」

ことの始まりは神楽が同い年の友達からカラオケに行ったという話を聞いたところから。カラオケに興味を持った神楽はその日のうちに銀時にカラオケに行きたいとねだり、カラオケ好きの新八もそれに参戦。だがジャンプを買いに行く以外は面倒臭がりな銀時、カラオケに行くことを拒み続ける。その内幸村と江戸探索に出ていた政宗が帰ってきて参戦。冷蔵庫の葱で六葱をし始めたところで銀時は両手をあげて苦笑いで降参した。
見て通り脅迫に近い。
経緯を聞いていた土方が銀時になんで葱ごときに屈したのかを聞くと…

「片倉さんが葱でばっさばっさ斬ったからよぉ…」

依頼の仕事で少々面倒な事件に巻き込まれた時、偶然買い物に出ていた政宗と小十郎が手を貸してくれたのだ。その時小十郎が武器にしたのが丁度手持ちのスーパーの袋に入っていた葱。パリパリされた葱は焼きネギとなったものの恐ろしい戦闘力を見せた。
楽しい筈のクリスマスパーティーだというのに先程から笑顔が消えている。強いて言えばワクワクしているのは蒼紅と権現こと家康だけだ。刀を予め没収された三成は殺気だけでも人一人殺せる不機嫌さを見せている。
隣にいる幸村はそんな三成に気付くこともなく、はて?と疑問を浮かべそれを口に出す。

「そういえば…"くりすます"とは如何様な日なのでござるか?」

「"カラオケ"とやらに行く日じゃないのか?」

「徳川さん違いますよ」

新八が苦笑して訂正する。日にちを今日にしたのは丁度クリスマスだったからだ。これだけの大人数で集まるなら好都合だろうとクリスマスも初めてであろう戦国チームのことも考え設定した。

「俺知ってるぜ
白い髭生やしたオッサンが返り血で真っ赤になった着物を着て"ピーーーー"や"ピーーーー"を配るんだろ?」

「それなんて悪魔儀式ですかィ?」

「白い髭生やしたオッサンはあってますけど…
プレゼントを配るんですよ、赤い服着たおじさんが子供にプレゼントを配るんです」

「present?」

「ぷれぜんと…とは?」

「欲しいものアル、サンタは子供の欲しいものなんでも持ってきてくれるネ!!」

この発言で何処かのサンタにどれだけのプレッシャーがかかったのかは定かではないが、三成がハッとして神楽に顔を向ける。

「なんでも…ということは家康の首もか!!」

「お前はそっから離れろ」

「まぁまずは歌おうじゃないか!」

「黙れゴリラ」

「近藤殿はゴリラであったか?!!」

「いや違いますからね?真に受けないでね?!!」

「政宗様、勝手にからくりを動かすのはお止めください」

「だって見てみろよこれ
テレビってのの小せぇのみてぇだ」

「この世界の文化にはどこまでも驚かされるなぁ…!!」

「何これ鈍器?」

「マイクです、猿飛さんそれマイクです」

マイクを振り上げる佐助を事件直前で止め、改めてカラオケ大会込みのクリスマス会


―――――開始



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