銀魂

□鮮血マミレシ友 護リ事誓イヲ立テヨ
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ああなった理由は俺にしか解らない
いつかやるいつかやると思っていたら本当にやってしまった
しかもよりによって新八が泊まっていった日
『そこは黒一色だった…いや、もう1つ色がある…?あの色、見たことがある…あ
の色は…あぁ…嫌な夢が蘇ってしまう
それは赤…赤い…血
真ッ赤ナ殺戮ノ色!!!』
この恐ろしさは俺にしか…俺らにしかわかるまい
天人を斬るというのは人間を斬っているようで嫌なものだった
自分の陣(いつものように全滅)から陣地へ帰ってくるとそこにも生きている仲間
は一人もいなかった
いるので生きている奴といったら…目の前にいる天人共
殺シテヤル
それしか考えられなかった
我を忘れてひたすら己の目に映る天人を切り捨てる
気が付いたら俺は天人を限界まで細切れにしていた

………それを思い出したのは新八達が春雨に拉致られたとき
『また、大切なやつらを無くしてしまう』
そう思うととてつもない恐怖が襲ってきて…
その日からか、ある夢を見るようになった
あの時の天人共が俺の目の前でどんどん大切な仲間を、大切な人達を殺していく
俺は体が動かずにそいつらを護ることができず、見ていることしかできない…だがあの日だけは違った
天人共が俺の近くに来て俺に触れた
手が届けばこっちのもんだと思って即座に首を絞める
苦しがる天人…おめぇに殺されたやつらはもっと苦しいんだぞ?もっと辛い思いをしてるんだぞ?
ふと俺の腕を握っている天人の手を見やると、その手は大切なやつらの鮮血でまみれていた
目玉が飛び出さんばかりに驚く
しかも仲間らしきやつに止められ羽交い締めにされる
そいつの手も鮮血でまみれていて…それが俺につくことを俺は拒んだ
そして万事屋っつー単語がクリティカルヒットして正気に戻ってみりゃ
神楽には羽交い締めにされてるわ、新八の首には絞め跡があるわ
何とか誤魔化すことはできたが………
次は俺自身が彼奴らを傷付けちまうのか?そんなのは御免だ
いくらあの天人共が夢に出てこようが





今度は抗ってやる







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