戦国BASARA

□赤い瞳
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政宗の頬を冷や汗がつたう
次の言葉が見てとれる、それを発されれば後には奥州が火に包まれる未来以外待ってはいないだろう
次を出させないように必死に止める

「そ、そういうわけじゃねぇ!!今は同盟を結んでいるし……会えるときゃ会えるだろ?!!」

「会っていない間に政宗殿が離れてしまいそうで心配なのでござるよ」

ひたと耳裏を舐められ身が震える
ぱちりと目が合うと幸村は目を細めて笑った
だが奥は笑ってなどいない
ともかく政宗を自分の側へおいておきたい、それだけ
今の幸村には会話をしているだけでも幸せなのだろう
この方と一緒にいることが出来るのならば、と

「俺はあんた以外とは何もしたことねぇ
男も女もだ」

「嘘だ」

「嘘じゃねぇよ……女にはこれっぽっちも興味は無ぇ
男も、愛したのはお前が初めてだ」

最初幸村への感情に気付いた政宗は"とうとう自分はイカれたか…"と頭を悩ませた
まぁいざ幸村といるとやはり"俺はこいつを好きなんだ"とおもい知らされる
女に興味が無いのは母のことあってだろう
「初夜なんか何処をどうすりゃいいのかなんてわかんねぇし
思い付いたことやって」

「ならば政宗殿には才能がお有りだ」

"あんまうれしくねぇー…"

苦笑い
そんなことで才能があっても全く嬉しくない

「なぁ………」

「?
ここから逃がしは致しませぬぞ」

「もうそれはいい、今のうちは小十郎がなんとかするさ
それより手首が本格的に…」

痛い、つい先程まで脱そうともがいていたのが仇となったのか
血が滲んでヒリヒリする

「………少し強く結びすぎたでござるか」

「ha、あんた馬鹿力なんだから少し気を付けろよ」

「申し訳ない」

これはどちらの立場が上なのだろうか
幸村は謝ると少しだけ縄を緩め縛り直す
どうやら取り去るという選択肢は無いらしい

「政宗殿……いつまでもお慕い申し上げまする」

「ahー…」

政宗は少し視線を外すと小さく「俺もだ」と幸村に言ってやった




政宗殿は某だけのヒトだ、誰にも渡さない
触れさせない
これからはずっと……


幸村の微笑んだのを政宗は知らない











さて問題です、彼の地奥州は助かったのでしょうか?

答えなんて知っても絶望しか待っていないさ










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