銀魂BASARA

□くりすますぱーちぃ
2ページ/2ページ



「ドアを開けたら妻が倒れてる背中に突き刺さる包〜丁
床は血まみれ知らない人が見たら気絶するかもし〜れ〜な〜い〜」

「いや…ちょっと、」

「僕が落ち着いて『今日のは掃除が大変そうだ』とわ〜らうーと
妻はうつ伏せのまま満足そうにクククと笑ってた」

「や、だから待、」

「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしてい〜ます〜
明日はどんな死に方をしているのかy」

いや待てェェェェェェッ!!!!!

「んだよぱっつぁん
今奥州筆頭がノリノリで歌ってんだろうが、よーしお前切腹な」

「切っ腹!切っ腹!」

「そこ切腹コールしない!!」

沖田の切腹コールを止めて新八は眼鏡をクイッと上げると政宗の方を見る。歌い続けていた。

「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしてい〜ます〜
ちょっとホメると調子に乗るからできるだk」

だから待ってくださいって!!

「Ah?なんだよさっきから」

「なんだよ?じゃないっすよ!!片倉さんも睨んで止めるようなことじゃありませんからね!僕がなんか悪者みたいになってますけど全面的に伊達さんが悪いですからね?!!」

「政宗様のどこが悪ぃってんだ、俺が納得するように言えや」

ぎんっと睨む小十郎。通常であればすくむどころの騒ぎではないがぶっちゃけ先程、土方と宙船を熱唱してしまっているので迫力は半分以下である。

「だってこれ何ですかッ?!!」

「『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』」

「妻の死に方がリアル過ぎて…見てくださいよ!数人テンションただ下がりしてるんですけど?!」

「No こいつぁなぁ眼鏡」

「新八です」

「最後には夫婦が互いの愛を確かめ合うっつーLoveStory…」

破廉t」

「黙れ真田幸村」

「じゃあ次、俺様『いよかん』いきm」

待った猿飛さんそれはいけない気がする
よくわからねぇけど触れたらいけねぇ超絶デリケート部分な気がする!!」

「えー何それ…
じゃあ何歌えばいいの?俺様こっち来てこれしか知らないんだけど…」

「般若心経」

「おぉ流石片倉殿!!」

「おいマジか、マジで言ってんのかそれボケてるとかじゃねぇのか」

「多串君、あの人はボケねぇよ
寧ろ突っ込みすらも入れねぇよ強いて言えば天然だ」

「天然ボケか」

「じゃあワシ南無妙法蓮華経」

「何が悲しくてクリスマスにそんなおどろおどろしい曲聞かなきゃいけないんですかッ!!
ちょっと近藤さんも何か言って…!」

珍しく静かな近藤に突っ込みを振る新八、が、皆がバッと見たときには既に、テレビに『くるみ☆ぽんちお』と曲名が映し出されていた。
瞬間近藤に新八のアッパーカットが炸裂する。勿論曲の方は中断。

「てめっ…!近藤さんに何しやがる?!」

「近藤殿に非は見られなかったが……どうしたんだ?」

「あ、いや
僕だけが知ってればいいんで
理由は聞かないで下さい」

至極真顔で放たれた言葉に乗り上げる土方と家康も口を閉じる。
(どうしても気になる人は検索してみよう☆(下ネタに耐性のある方限定)
さて、土方と小十郎が歌ってからなかなか選曲が決まらない。

「無難にクリスマスキャロルとかいきます?」

「おい眼鏡ぇ、『跪いて足をお嘗め』いれなせぇ」

「だからクリスマスになんて曲歌おうとしてんスか」

「じゃあ『ギロチン』」

あんたはクリスマスに恨みでもあるんですか?!!
ったく…真面目に決めてくださいよ」

カラオケに真面目も糞もないかもしれないがこの場合は制限をかけるべきであろう。と、ここで沈黙を通していた三成がすっと手をあげる。

「『ねね太閤記』…」

「え?ね…ねねって豊臣秀吉のo」

秀吉"様"だ斬滅するぞ

「じ、じゃあ秀吉様のo」

貴様ごときが秀吉様の名を口に出すな斬滅するぞ

「じゃあなんて言えってんですか!!!」

そろそろ疲れてきた新八、若干息を切らしながらも選曲について聞けば秀吉を称えた曲をさらに替え歌で歌いたいのだとか。

「この"ねね"という女を全て私に変え、さらに秀吉様を称える歌にした
是非秀吉様に捧げたい」

銀魂チーム、蒼紅主従どころか家康までもが引いた。
太閤称賛曲はなんとか次に来たときに、と回避出来たがカラオケボックス内の空気は今日一番の低さを漂わせている。

"ま…まずい…"

正直このままではクリスマスどころではない。時計を見ればまだ入って1時間も経っていなかった。

「あ…と、じゃあ
僕歌いましょうか?十八番あるしカラオケ慣れしてるんで」

"まずい…まずいまずいまずいまずい…!!!"

先程の"まずい"は何も、突っ込み担当兼世話焼きの新八に限定されたものではない。密かに顔を青くしているのは銀時だった。

「なんだあんた?歌えんのか」

「まぁ…持ち歌のほとんどはお通ちゃんのですけど」

「あぁあの面白い歌を歌う
何を言っているのかは全くわからないがワシも好きだぞ」

「ですよね!いいですよねお通ちゃん!!」

「ホント新八はお通ちゃんの話になるとキモいアルなぁ」

「お通ちゃんのことになるといっぱいの愛で前が見えなくなるだけですっ」

「ふん、それならば私の秀吉様への敬意も貴様を越えるものだ」

「三成…それはちょっと……」

「某のお館様への尊敬も新八殿を抜けるであろうかッ?!」

「や、それはrivalの俺としては抜いてほしくねぇっつか…」

ぴっ ぴぴっ

「はい、入れましたよ
次もう何でもいいんで入れちゃってください
制限してたら切りないの気付いたんでこの際途切れないように入れちゃいましょう」

「今さらかよ
おい総梧、『キューピーマヨネーズ三分間クッキング』入れておけ」

「へーい
じゃあ俺は『死ね土方』で」

ねぇだろそんな曲

「そっ…某は…うむぅ」

「旦那決まんないなら俺と一緒に歌う?後から決めても大丈夫だし」

「うむ、頼む」

「Hey小十郎次は銀時と歌えよ
この『ライオン』ってのが人気あるみてぇだからこれでいいよな」

ぴぴっ

「ま、政宗様勝手に入れては…!」

「別にいいだろ
なぁ銀時あんたも歌いてぇ歌があるわけでも………銀時?」

「ぁ、…あ?」

「どうしたんですか銀さん?」

「元気ないアル
顔も真っ青ネ」

「あ〜ここ空気籠るからね、銀の旦那外出た方がいいんじゃない?」

「そうなのか万事屋?」

「あ、いや…大丈夫だ」

顔を青くしたまま言葉を返す銀時だったが新八の「じゃあいきますよー」と聴いたことのあるイントロにハッとして意識を覚醒させる。

「まっ!新八ちょ、待!!!」

すぅ〜っ…と吸われる酸素は冥土への階段を昇る音に近い。

「駄目だ聞いてねぇッ!お前ら耳塞げ!(耳が)死ぬぞ!!」

「あ?」

「What's?」

「どうした銀と…」

「ッちょめちょめえええええええっ!!!!!!!!」

ぎぁああ…ん

ハウリングなんて、そんな生易しい言葉ではくくれないような…くくってしまえば寧ろ罪になるような
それは死刑が執行されたような感覚だったと新八を除く11人が後に語る。


「っうぎゃああああああ!!!耳がッ耳がアルァァァァァッ!!!」

「バ●スッ!!」

「言ってる場合か!って政宗様ぁぁぁぁあああああっ!!!!!

「Goodッ…ら…く、」

カクリッ

「ちょめちょめ――――ッ!!!!」

「何なのコイツ!十八番がこれって何なの?!!」

「アンタがいれば武田の天下もッ…直ぐそこかもッ…ねぇ…」

ばったーん

「佐助ぇぇぇぇっ!!!!ぐっ…俺まで目眩がッ…!!」

「う゛…」

ふらぁっ

「志村殿!志村殿やめるんだ!!三成が死んでしまう!!!」

「トシィィィィィッ!!死ぬなぁぁ!俺を残して逝くなぁぁっ!!!」

「近藤さッ…世話かけたけど今までありが…」

「やっりぃ明日から俺が副長でぃ」

「総梧ォォォッ?!!」





クリスマスの夜は更けて行く...



Merry X'mas !!

END
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ