07/23の日記

20:03
リア充なんて爆発しろぉっ!<現BASA佐助+小十郎
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現実とはなんとも生きにくいものか…。人間界は地獄の一部であるとの説があるが強ち間違いでもなかろう。

"ま、俺様にはこいつがあるからいいけどねー♪"

カタカタと階段を上がる佐助の耳には1日付けっぱなしのイヤホン。腕には教科書が抱えられている。
この時代、高卒だけでは人一人生きていけるほどの賃金は稼げない。故に若干賭博ではあるが専門学校なるものに通ってみることにした。
コンピュータに関してなら周りより頭が回る。
入ってみればやはり数字と英語の嵐に頭を抱えることになったのだが……

"あー重ッ…こんなの持って帰ってる奴なんているのかよ"

教室の棚に教科書を仕舞い、ふう…と息を吐く。資格を採るためとは云え、全くえげつない量だ。逆にこれだけ覚えなければ採れない資格なんて採れる気がしない。

"……いやダメだダメだ
国家資格一つくらい採んなきゃ"

これで失敗したら洒落にならない。
現在位置は4階。一階程度なら階段を使って降りるが4階は流石にエレベーターを使う。小さめのエレベーターの前には幸い人もおらず、一人で空っぽのエレベーターに乗り込んだ。
が、3階で止まった。自分が教科書を置きに登った階だ。恐らく教科書を置きに上に上がる人が押したのだろう。
案の定、エレベーター前には6人程募っており、5人は教科書を腕に抱えていた。

「これ下行くよー」

「ぁあ?何だ?」

「何か言いました?」

「ヤバイ閉まるぞ!」

「早く乗りやがれ」

なんとまぁ人の話を聞かない面子だこと。

「あれッ…これ……」

「だから俺様言ったじゃーん」

「俺は元々下だ」

「最っ悪だな…
帰るの遅くなるじゃねぇか」

「仕方無いですよ」

"ちょッ…!!ちょちょちょちょぉぉぉおおおおおおお!!!!"

エレベーターは決して広くはない。ぎぅぅっとみっちり詰まるわけだが人数的にそこまで詰めなくとも言いはずだ。
エレベーターの端に追いやられた佐助の直ぐ隣には片倉小十郎。誰かと言われれば、佐助が密かに思いを寄せている男である。性別とかはこの際スルーしていただきたい。
兎に角、その人が今目の前どころか密着してきているのだ。

"ななな何でっ?!近い!近いよ片倉さんんんん!!"

勘違いならそれでいいのだが、度々やってくるこの至近距離イベントが今一番佐助の心臓に負担をかけていた。



END

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