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□sweet baby
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昼食を済ませ、街を歩いていた僕たち。
ギンギラギン とかかれたTシャツを見た留三郎が爆笑していた。
眩しい。
「う、わ!」
「、あぶね」
ボーッとして赤信号を渡ろうとした僕の腕を留三郎が引いた。
不甲斐ない。
「……留三郎は、どうして僕を選んだの」
先程買ったイチゴクレープを食べながら僕はそう問いかけた。
「文次朗の方が気が合うし、僕は不運だし、留三郎には釣り合わないじゃないか」
隣にいる彼を見上げるのが怖い。
何てワガママなんだろう。
昔はコイビトになっただけで幸せだったのに。
ぱくっ
身を屈めて、留三郎が僕のクレープを食べていた。
「あぁあ僕の……!」
彼は身を屈めたまま、僕の肩あたりにその端正な顔を固定した。
「近い……。」
「近くしてんだよ。」
耳に息がかかる。
「お前の可愛い嫉妬は、今の一口でチャラにしてやる。」
ただな、
耳元で囁かれたその言葉。
きっと、この世のどんなお菓子よりも甘い。
「俺の気持ちが分かんないなら、いくらでもお前に叩き込んでやるよ」
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