TexT;ぬらり(その他)

□禁じられた遊び
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声と同時に口づけが落ちて、竜二はそれ以上反論できなかった。

「は…あっ、ん…っふ、あ!」
与えられる熱に溺れ、びくびくと魚のように跳ねる。
精気かどうか知らないが、籠もる熱は片端から拡散して、快感の底が見えなかった。
上から覗きこむ男が嬉しげに抱きしめて、竜二のは美味しい、と言った。

人外のもの、人の精気を吸うなんて、お前もとうに妖怪じゃないのか。

苦しい息の下から言ってやると、弧を描いて吊り上がった口端が寄せられる。
「…そうかもしれん。花開院に縛られ、取り憑いた妖かもな」
だったら、どうする?

「滅するさ…、お前の術をすべて学んでからな」
秀元の持つ知識は欲しい、臆面もなく言い放つ竜二に、式神はまた笑う。
「正直やな、竜二…でもその日は、まだや」
今は、お前の精気を分けてな。


再開された律動に、あられもない声を押し出され、強く肩にしがみついた。
押し広げられた両足が、空に浮いて体勢が苦しいから、だから。
肌に触れて確かめていたいからじゃなく。
ここにある存在を。
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