TexT;ぬらり(その他)
□好奇心は猫をも殺す
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とても幼かった頃。
まさつぐ義兄ちゃん、という単語が長すぎて、まさにい、と呼んだ。
幼児の数年の差は大きい。
何でもできるまさにいは憧れで、構ってほしくて、竜二は後をついて回った。
そんな呼び名、とうに忘れたと思っていたのに。
「もう一回、言ってごらん?」
「いや、だ…っ、」
耳の辺りまで熱いのを感じながら、竜二は首を横に振った。
急に羞恥が押し寄せて、逃れようと抵抗する。
「駄目だよ、竜二。逃がさない」
拘束が強まった。
「っあ、ん…!」
抵抗する竜二を雅次の身体で押さえこみ、手で欲を弄れば、思ったより簡単に精を吐いた。
「溜まってたのか?」
わざと言ってやると、また頬を赤くする。
普段見せない素顔を晒す竜二に、雅次はやさしく口づけた。
吐き出された精を指に絡めて、奥を探る。
強張る身体をあやすように撫でて、侵入させた。
「やっ…だ、雅つ、ぐっ」
抵抗をやめない竜二の耳に口を寄せ、違うよ、と囁く。
「そうじゃない。まさにい、だろう?」
開かれた竜二の瞳に、うすい涙の膜が張って、雅次はそこにもキスを落とした。
雅次の熱が入りこむとき、ようやく竜二は口にした。
「あ…っ、は、んん、ま…さに、いっ!」
「そう、だよ…竜二、上手だ」
「まさっ…にい、も…っ、や、やだあ…っ!」
「まだだ…」
「っひ、ああっ…!」
広い背中にしがみつき、竜二は一晩じゅう啼き続けた。
→あとがき