TexT;ぬらり(まみ竜)

□ボーイ・ミーツ・ボーイ
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夜になり、風呂を済ませると、魔魅流は当然のように竜二の部屋で寝るという。
「客間があるだろ」
「だって、もっと話したい」
ね?と小首をかしげても、大男には似合わない。
「…好きにしろ」
見上げているのも癪で、竜二は早々と諦めた。

布団を並べ、座ってみると、体格の差が歴然で、また竜二の眉間にシワが寄る。
「魔魅流、ちょっと手を出せ」
色は白いが、明らかに大人の男の掌だった。
竜二より一回り大きいそれは、そっと重ねられ、
「竜二の指、きれい」
不意に落ちた言葉と共に、竜二の視界が反転した。

「な…っに?」
次の瞬間、竜二は魔魅流に押し倒されていた。

「こら、どけ」
布団の上、痛くはなかったが、従兄弟に押し倒されてる状況が楽しくない。
何の悪ふざけかと睨みあげれば、魔魅流はいとも優しく笑った。
それはこどもの無邪気ではなく、男の何かを感じさせて。

「ねえ竜二、ずっとオレが、竜二を好きだって知ってる?」
「…っ」
言葉に詰まった刹那、魔魅流は竜二に口づけた。


「っは、あ、」
傍若無人に口中を這い回る舌から顔を反らせば、身体は男の腕に捕らえられていた。
「離せ…っ」
「やだ」
こどものわがままのように、頑なな拒否。
同時に這った掌が夜着の裾を割り、竜二は抵抗するが体格差に及ばない。

「やめ、魔魅流…っ、!」
とうとう欲を掴まれ、なんとか制止しようと声を上げる、語尾は不様に跳ね上がった。
熱を掻き立てる動きに反応してしまう自身が信じられず、竜二は目を固く閉じた。

仕方ない、これは男の生理、出しちまえば気も済むだろ、
ひたすら自分に言い聞かせる竜二が、次に声を上げたのは、欲が生暖かい粘膜に被われたからだ。
「う、あ…っ」
「竜二のコレ、おいしい」
なんだこいつ、オレのをくわえやがった、正気か、けど萎えないオレもどうかしてる、
ぐるぐる思考は回りながら、責め立てる舌の動きに、どうとでもなれ、と精を放った。

「…っは…」
幾分乱れた息を整えながら従兄弟を窺うと、ちょうど目が合った。
視線を合わせたまま、魔魅流は自分の掌に、口から白濁を出して見せる。
「!!」
かっと頬が熱くなった。


恥辱を受けたと言いたげな竜二を、このまま開放するつもりはさらさらなかった。
魔魅流は動かない竜二の脚を開き、遠慮なく奥に触れる。
びくつく身体を押さえ、掌の白濁を塗り込めた。

自身の熱を宛てがうと、ようやく事態を理解したのか、竜二が暴れ出す。
「なに、すんだ魔魅流っ、止めろ…っあ、あ!」
体格差で押さえてしまうと、竜二に抵抗の術はない。
凶器のような欲がずぶずぶと埋まり、悲鳴じみた声を絞りとった。

「あ、ああっ、や…っ!」
固い声が一転、驚愕に満ちたのは、ある瞬間だった。
「やめ、や…めろ、魔魅流っ、ソコ!」
「ああ…ココが善いんだ、竜二?」
「や、あー…っ!」

「あ…っ、ん、まみ、る…っ」
欲を迎え入れ、自らも屹立から歓喜の涙を零す竜二から、甘い声が漏れる。
「竜二、かわいい…」
「あ、ソコ…ばっか、やめ…ぅあ!」
背をしならせて達する、竜二に魔魅流は口づける。
思いを込めて。





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