TexT;ぬらり(まみ竜)

□ちかちか瞬く
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「…っん」
暗い部屋、重なった唇から吐息が漏れた。
無遠慮に侵入を試みる魔魅流の舌に、竜二は形ばかりの抵抗を示す。

それすらもどかしくなるまで、後すこし。

邪魔な服を脱ぎ捨て、性急に触れた肌は熱くて、互いの余裕のなさに笑いが出る。
理由はどうでもいい、この渇きを満たせるのなら。
欲望を触れ合わせ、目の前の唇を舌で舐めあげると、すぐに追いかける舌に捕らえられた。

「っふ…あ、」
いつの間にか回り込んだ指が後孔を刺激して、竜二の声があがる。
ぐるりと周辺をなぞられ、それ以上の動きを期待する孔に、指が押し当てられた。
「…ん…」
ねだるように押し付ける動きに、魔魅流は指先を潜らせる。

「ぅあっ?!」
驚愕の声と共に、竜二の背がびくついた。
「…何だ、いまの!」
「どんな?」
常の無表情な魔魅流を睨み、竜二は説明を試みる。

「…なんか、体がピリピリした…」
言いながら相手をねめつける。
「魔魅流、てめえ…何した」
「ちょっとだけ」
答えるそばからさっきの感覚が走り、竜二の背がまた震える。

「てめ…っ、ちょ、抜け!」
怒鳴って指を確認すると、目視はできないものの、たしかに微弱な電流がある。「なんで…」
「竜二が、練習しろって言った」


数日前。
「例えばだ、魔魅流。お前の雷撃、強弱をつけたらいいんじゃねえか?」
言ったのは、竜二だった。
「強弱?」
「最初は6割で攻撃して、相手が油断したり、畳み掛ける時は10割でとどめを刺す、とかな」

「竜二、ずるい…」
「狡くねえよ、作戦だろうが。頭を使え、魔魅流」
しばらく練習しとけ、と竜二は言った。
まず極小からできるようになれ、と言った。確かに。
そうすれば、手袋も外せるかと、思ったのだ。


「練習、した」
心持ち自慢げに(奴には最大限の表現だ)胸を張る魔魅流。
「…だからって、人体実験すんじゃねえよ…」
何でこう、オソロシイ所で飛躍するかな。
底知れない不気味さに少々辟易しながら、竜二がどう諭すべきか考えていると。

ぐり、と後孔に当たる欲望。
「お前…まだヤる気かよ」
竜二が溜め息をついて確認しても、怯むことなく熱は押し付けられる。
諦めて首に手を回してやれば、嬉しげに魔魅流の唇が降った。

「…んんっ、」
馴れたとはいえ、最初の挿入はやはり圧迫感が勝る。
なるべく負担のかからないよう、意識して力を抜いていると。
「ん、あ、ああっ!」
先ほどの、ピリピリする感覚、が走って、無防備な神経を直撃した。

「やっ…め、魔魅流、や、あん!」
侵入する質量だけでも堪えがたいのに、まとわりつく電流が背を駆けのぼり、竜二の声を押し出す。
「まだ…ぜんぜん、入ってないよ、竜二」
魔魅流にも電流は這いあがるのか、息があがりかけている。
しかし、竜二にそれを見る余裕はなかった。

「あ、ああんっ、や、抜け…ッ、まみるっ」
「やだ」
絶え絶えに言っても一言で拒絶され、さらに奥に入られて竜二の喉が反り返る。
「ああ…っ、も、やあっ!」
最奥で電流を感じ、竜二の精が溢れた。
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