TexT;ぬらり(まみ竜)

□夜明けまで
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「…は…っ」
照明を落とした部屋に、艶を含んだ声が漏れた。
竜二は魔魅流の肩越し、ぼんやりとした闇をながめていた。

しばらく魔魅流の好きなようにさせていると、首すじをくすぐった舌が耳元に伸ばされた。
竜二は耳が弱い、魔魅流もそれはとうに承知で、やわらかく耳たぶの甘噛みを繰り返す。じれったい愛撫がもどかしく、竜二は魔魅流の髪を引っぱった。

「はぁ…っ、ん…」
下着から取り出された肉を魔魅流の唇に覆われ、思わず声が漏れた。
竜二のこぼした先走りを指ですくうと、後孔に擦りつける。
揺れた腰に構わずさらに塗りこめると、ぬめった指先が入口を潜った。
「っは、」
ちいさく息を飲んだ竜二をじっと見ながら、指を押し込んでみる。
魔魅流にとって、この行為は何回繰り返しても加減がつかめないのだ。つい欲を押し通して、あとで折檻される羽目になる。

それでも明確な拒絶の言葉が竜二の口から出なかったことに安心して、一気に指を根元まで突き入れた。
「はっ、ああ…っ!」
中で動かしてみると、竜二の背がびくりと揺れる。
すきなのはこのへん、と見当をつけた箇所は当たりだったようで、竜二の声が切なさを帯びる。魔魅流の好きな瞬間。
あとは蹂躙するだけ。

「やっ、まみる…っ、も、あぁ…っ!」
何度目かもわからない精を放っても、魔魅流の熱は鎮まらない。
「まだだよ、竜二」
汗ばんだ前髪から覗く両目を光らせて、魔魅流は逃げを打つ腰を引き寄せる。
「ああぁっ!っは、あ…んぅっ」
貪欲な肉で深くえぐり、舌で口も犯して。
ねえ竜二、竜二、すきだよ。もっといっしょにさせて。
もっときもちよくなって、ぼくだけを見て。


あとがき
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