TexT;ぬらり(まみ竜)

□黒ねことタンゴ
1ページ/3ページ

竜二の髪と同じ、黒く艶やかな毛並みの尻尾。耳。
初めて見たときから、こうしてなでてみたかった、と魔魅流は思った。
しっぽをなでて、竜二が息を飲むのが、たのしい。

「…っふ、」
ちいさな吐息が、やけに響く。
尻尾をしごくように上下され、ぞわぞわと肌が粟立つ。
感触を楽しむだけのような手の動きにも、慣れた身体は覚えた熱を引きずり出す。
頬の辺りが火照ってうつむくと、
「…竜二」
寄せられた唇を、そのまま受け入れた。

ぴちゃぴちゃと音をたて、舌を舐めあう。
舌を出したままで絡ませると、獣耳が寝ていて、ほんとのねこみたい。
思いながら口内に侵入し、存分に味わう。
歯列の裏を舌でなぞりながら、手中の尻尾を指で擦ると、
「んんっ…う」
竜二の舌が跳ねるのがわかった。

舌を離すと、唾液の糸が互いの口を伝った。
いくらか息を乱す竜二の頭に唇を寄せ、
「竜二、すき…」
漆黒の獣耳に吹き込めば、びくと背が強張る。
耳はさらに寝て、髪につきそうだ。
その様がおもしろくて、端を甘噛みすれば、
「…や、めっ…魔魅流…!」
肩も震え、シャツに縋ってくる。
尻尾の毛が逆立っているのを見て、落ち着かせるつもりで撫でれば、
「ひあっ!やあっ、あ…っ!」
声が切迫し、それだけで竜二は達した。

「きもちいいんだ…竜二」
「…ぅあ、ん…」
着物の裾をはだけられ、屹立を出されたときには、放ったものでぐちゃぐちゃだった。
親指で塗りこめるように愛撫され、知らず腰が揺れる。
「はぁ…っ、あ…?!」
慣れぬ感触に、蕩けかけた目を開けると、屹立に絡みつく尻尾。毛がちくちくする。
「なに、すん…っ、んあっ!」
ぐいと尻尾で敏感な部位をしごかれ、高い声が出た。
「これも、きもちいいんだね」

まるで全身が性感帯になったようだ、と竜二は思う。
魔魅流のすること、すべてが劣情を刺激する。
それを悦ぶ自分が、確かに居る。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ