TexT;ぬらり（まみ竜）
□ほんとうのよる
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ゆっくりと指を押し込めば、キツイのに中へ入っていく。
「…魔魅流、なんで…こんな」
眉根を寄せた竜二が愛おしくて、キスを降らせる。
「竜二、すき。だいすき」
「お前…言ったろ、俺は男だって」
「それでもすき」
壊れたように繰り返す魔魅流（ああ、コイツは壊れてるんだった）、（俺もどうかしてる）…考えていると。
「…ひぁっ?!」
高い声が喉をついた。
いつしか中でばらばらに動かされる指、それがある一点を掠めると、どうにも我慢ならない。
勃起を強制される、内側から。
感じたことのない快感に、竜二はあっさり精を吐いた。
二度も立て続けにイかされ、さすがに脱力する。
布団の上、仰向けに転がると、魔魅流は覆いかぶさってきた。
「…もう満足だろ、魔魅流」
少々投げやりな気分で言うと、
「だめ」
きっぱりと拒絶した魔魅流が、竜二の足を抱え上げた。
「っお前、やめ…っ！あ、あ！」
魔魅流の熱が、竜二の中に入ってくる。
力の抜けた足では、抵抗するのも困難だ。
指とは比較にならない質量が、確実に体内を侵食する。
ぐうっ、と堪えかねた呻きがこぼれた。
中ほどまで挿入し、竜二の様子をうかがう。
眼を閉じて苦しそう、だけど。
「…ココは、いやがってないよ」
まだ半勃ちの欲を捕らえ、刺激すると、それは成長した。
後孔がわずか弛んだのを感じ、奥まで突き入れる。
「ひ…っ、ん、やあっ！」
「…入っ…た…」
根元まで咥えた竜二の中がキツい。
体を固くして、衝撃に耐えている額に汗が浮かんで、宥めるようなキスを繰り返した。
「りゅうじ…竜二」
「すきなんだ…ずっと、こうしたかった」
囁くと、すこしずつ息を吐いて魔魅流を睨む。
「…嘘つくんじゃねえ…てめえには、昔の記憶なんてないんだろうが」
言い捨てれば、明らかに傷ついた目をして、一瞬後悔する。
けど、魔魅流が。
もういない魔魅流の顔で、声で、そんなことを言うから。
…あの夜の、笑う魔魅流は、もういないのに。