TexT;ぬらり(まみ竜)

□甘くて甘い蜜
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かるく怯んだ隙に口づけられると、薄甘いチョコの味が残っていた。
欲情をしごかれ、違う味の舌を味わうと、魔魅流の頭が下腹部に移動し、竜二の欲を口に含んだ。

「…っふ、ん…」
チョコレートのせいか、常より執拗に舐められ、竜二の息が上がってくる。
すでに溶けてまとわりつく甘いそれを、先端から滲む先走りと混ぜるように、くちくちとこねられ、腰が揺れる。
「まみ…る、もう…っ」
訴えると、栗色の瞳が見上げ。
「…イきたいの?」
問いかけられた。

え、と竜二は思う。この状況で、なに聞いてんだ。
次の瞬間、じっと見上げる瞳に、理解する。
(言わせたいのか)
反射のように、唇を噛む。
欲情は硬く反り、限界は近かったが、口に出すのは。ねだるようで。
(…言えない)

黙ってしまった竜二を、魔魅流は気にする様子もなく、舌での愛撫を再開する。
硬くなった欲情をすみずみまで舐め上げると、竜二の肩が揺れるが、声は漏れない。
竜二が強情なのは、とうに知っている。
じゃあ、と遠慮なく竜二をうつぶせた。
「言わないと、イかせてあげないよ…竜二」
囁きはひどく甘く。

「っは、…あ…んん」
びくりと竜二の背が震えるのは、体内に埋め込まれた魔魅流の指が動くせいだ。
魔魅流の舌が肩甲骨あたりを這い、ゆっくりと指が内壁をなぞっていく。
じわじわと煽られる、それでも竜二は頑なに口を閉ざした。

「ん、あ!」
高い声が出たのは、後孔に押しつけられたものが、つるりと入りこんだから。
「なに、入れた…っ」
背後の魔魅流を睨むと、
「チョコレート」
平然とした返事。


「…う、あ…っ」
中にある異物の、明らかに指と違う感触。
滑らかに動きながら溶けて、指が這いまわるのを助けている。
「ふ、っ…、あ!」
前立腺を掠めて、抑えきれない声が漏れた。

竜二の欲は、既にしとどに濡れている。
「あ…んぅ、や…!」
かぶりをふって熱を逃がそうとすると、
「…ねえ、イきたい?」
再度問われた。
「イ、きたく…ねぇ、っ!」
とっさに口走る。

ふうん、と魔魅流がつまらなさそうに応えて。
チョコレートが、新たに侵入する。
「っや…あ、やめ、まみ…る、っんん!」
そのまま、魔魅流の欲も竜二の体内に押し入った。
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