TexT;ぬらり(まみ竜)

□身喰いの月
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「なあ、魔魅流」
月明かりが差し込む部屋、襦袢姿の竜二が嫣然と笑う。
「しようぜ」


口づけは、最初から濃厚なものだった。
舌を絡め、歯列をなぞるのに熱中していると、
「…っんん、」
肩を落ちた襦袢から現れた、乳首をつままれた。

「…はあ…っ」
口を離し、乳首を弄られながら、栗色の頭を抱え込む。
白い耳朶を甘噛みして、吐息を吹き込めば、ぴくりと魔魅流の肩が動いた。
それが面白くて、わざと水音をたてて耳朶を舐め、舌で転がしてやる。

「…っ、」
ちいさく魔魅流が息を詰め、常とは逆転したような態勢に、竜二は勢いづく。
手を伸ばして下の熱を探れば、魔魅流のそこは既に勃ちあがっている。
「なんだ、もう勃ってんじゃねえか」
言ってやると、手の中の熱が揺れた。

「あ…っ」
竜二の熱も魔魅流の手に捕らえられ、先端を刺激される。
立ち上がる快感に、流されたくもある、けど。
先ほど目覚めかけた加虐心が疼いている。
元よりいたぶるのが好きな竜二に、見逃すことは無理な相談だった。


「…魔魅流、ちょっと待て」
声をかけ、絡まる手を剥がす。
不思議そうに、それでも何も言わず従う魔魅流を、床に押し倒した。
そのまま位置をずらし、竜二は舌で熱を舐め上げる。

「…竜二…っ」
訳が判らなかったのか、無抵抗だった魔魅流が、制止しようとする。
魔魅流の理由は知らないが、嫌がられるとやりたくなる。
コレで気持ち良くなる、と知っているから、尚更。

筋に沿って舌を這わせ、滲んだ先走りをかるく吸う。
おもむろに口に含むと、中の熱が一段と育つ。
まだ続く制止を黙殺して、遠慮なく蹂躙してやった。

「…ん、竜二、も…っ!」
切羽詰まる声と同時、ぐいと竜二は頭を押され、口から熱が抜ける。
と、眼前の肉から白いものが爆ぜた。
とっさに目は閉じたが、生臭い液体が顔面にかかる。
「てめ…、いい度胸だな」
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