庭球

□リセット
1ページ/1ページ

「あ、また作り変えなきゃ。」




俺は部室で呟いた。片手にゲームを持ってだけど。


今、友達を作って遊ぶゲームが自分の中で流行っている。それで、皆を作って遊んでた。



でも、どうしても俺の分身は跡部とくっ付かない。おかしいな。
…忍足となら、結婚までしてるのに。



それが酷く現実的で、虚しくなった。別に、忍足が嫌いなわけじゃない。


ただ、跡部と付き合ってる、って事実が嫌なだけ。





「同姓の癖に、」




誰か、跡部のファンクラブの子かな。言ってたような気がする。

別に、同姓でもいいんじゃないの?




要は、二人がどれだけ愛し合ってるかで、



他人は関係がなくて、



ただ、それだけ。




ニューゲームにして、また始める。今度こそは、俺とくっ付きますように、と祈って。






ねぇ、跡部。




ゲームでくっ付くだけじゃ嫌だよ。




ねぇ、あとべ。




忍足なんかより、俺にしてよ。




ねぇ、跡部、






リセット
(プツリ、と消えた画面には、)
(笑ってない自分が映っていた。)







END
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ