庭球
□リセット
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「あ、また作り変えなきゃ。」
俺は部室で呟いた。片手にゲームを持ってだけど。
今、友達を作って遊ぶゲームが自分の中で流行っている。それで、皆を作って遊んでた。
でも、どうしても俺の分身は跡部とくっ付かない。おかしいな。
…忍足となら、結婚までしてるのに。
それが酷く現実的で、虚しくなった。別に、忍足が嫌いなわけじゃない。
ただ、跡部と付き合ってる、って事実が嫌なだけ。
「同姓の癖に、」
誰か、跡部のファンクラブの子かな。言ってたような気がする。
別に、同姓でもいいんじゃないの?
要は、二人がどれだけ愛し合ってるかで、
他人は関係がなくて、
ただ、それだけ。
ニューゲームにして、また始める。今度こそは、俺とくっ付きますように、と祈って。
ねぇ、跡部。
ゲームでくっ付くだけじゃ嫌だよ。
ねぇ、あとべ。
忍足なんかより、俺にしてよ。
ねぇ、跡部、
リセット
(プツリ、と消えた画面には、)
(笑ってない自分が映っていた。)
END