The Kingdom of GodU

□第六章 大切な人々
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王子の出現によりパーティーはより盛り上がりを見せた。広く空いた中央では露出の高い踊り子達が魅惑的な身のこなしを披露している。

そんな中、壇上から一番離れた場所で壁と一体化になりかけていた私はかなりの変わり者だ。

常に隣にいた彼の姿はなく、気が付くと代わりに彼より少し歳上の赤毛の男が皿を二つ持っていた。

皿の上にある豪華な食材で作られた料理をなんとなく見つめていると男は戸惑い、無理矢理私に握らせた。

「ちゃんと食べないと美人になれないよ。」

元気付けるためなのか矛盾した言葉で苦笑を浮かべる青年に私は飽々した目で返した。彼に対する態度は明らかにやつあたりである。

「……預かっている以上、少しは元気になって貰わないと顔向け出来ないよ。」

おそらく壇上の青年や私の両親にだろう。いつ預けられたのかはわからないがいい加減我儘で困らせる自分に腹がたってきた。
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