The Kingdom of GodU

□第十三章 光を求める人達
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私は違う世界に住んでいる。そこはとても厳しい世界、けれども私は幸せだった。

そのころの私が作っていた世界は純粋なものだけだった。砂糖菓子のような甘くて幸せな物語が繰り広げられていて、そういう世界を夢見て楽しんでいた。

ところがある年の夏、一点の雲が広がって私の世界は暗くなった。ある選択肢を前に、往生際の悪い私を、聞き分けの良い私が心の奥に閉じ込めたのだ。

何故私は自分に嘘をつくの?何故私はこんなにも弱いの?何故私は夢を諦めてしまったの?

頬に一筋の涙が伝い、その瞬間から冷たい雨が降り続いた。





雨が枯れ果てても、心の世界の雲は晴れることなくそこにある。見渡すと周りには果てしない涙の湖が広がり、ぼんやりと輝く濁った玉がたくさん浮かんでいた。それらは今まで宝石のような輝きを放っていた私の創造世界だった。

個々の空想世界は創造主の考えや心情と直接繋がっている。いわば私の精神と数々の世界は一心同体なのだ。

身を呈して守った世界、けれども病んでぽっかりと穴が空いてしまった私の精神力ではお互い滅びるのを待つしかなかった。

だから逸材を見つけることができたのは神様が与えてくれた唯一の救いなのだと思う。

私が創った世界に住む人が、逆境の中で強く生きようとする度に世界は浄化され、心の世界に青空が広がってゆく。その法則に気がついたのだ。




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