小さな扉

□With You
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「真理亜さん。」

振り返ると赤い服を身に纏った少年がひどく慌てた表情で立っていた。彼の片手には白い袋が下がっている。

「……相馬君どうしたの?」

斜め上にある顔にやっと視点が定まり問いかけたと同時に咳が何度も私を襲った。遅れて全身鳥肌が立つ。

「あと十分で終りますから休んでいてください。」

有無を言わさずテーブルの影に座らせられ、袋の中から出てきた布被せられた。どうやらサンタクロースの袋には膨らませるために布が入っているらしい。
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